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web小説【四季の国】


学校が終わると俺は家の近くに住んでる 

幼馴染といつも一緒に帰る

俺のクラスの方がいつも授業が終わるのが遅く

幼馴染にいつも待っててもらって居る

幼馴染は良く屋上で待っている

偶に違う時もあるが大抵屋上に居る

今日もいつも通り屋上に向かった

居なかったら連絡すればいいかと思っていたが

屋上に居た

「紅葉帰ろう」

紅葉はこの街では珍しい茶色い髪色をしている
この街の住人は黒色の髪が多く
紅葉の茶色髪は透明感があり凄く綺麗だ
屋上で一人で立って居るととても絵になる

「うん」

俺の幼馴染はふとした時に良く空を見上げている

「知ってる?昔は空から雪が降ってたんだって」

初めて聞く単語だった

「雪って何?」

「氷の結晶って聞いたよ」

氷が空から降って来るなんて最悪だと思った

「痛そうだな」

「馬鹿」

「痛った」

叩いてくるのは辞めて欲しい

「凄い綺麗っておばあちゃんが言ってたよ」

紅葉の祖母はこの街を作った一人らしく
かなりのご年齢だ

「お前んとこの婆さんボケてるからな」

「いいでしょ別に」

「でも、もう見れないんだろ」

「四季がある国があるらしい、そこなら見れるかもしれないって」

「どこにその国があるんだよ」

「知らないけど…」

紅葉が寂しそうな顔をした
普段は明るく振る舞って居るが
昔は良く泣いていた
小さい頃に父親を亡くしており
母親は訳があって一緒に生活をしていなく
一人で良く泣いていた
初めて出会った時も泣いていたから
声を掛けたのが理由だ
俺は紅葉が元気になって欲しくて
子供の頃は馬鹿な事を良くしていた
その甲斐あってか
紅葉は明るく元気になり
今では生意気だと思うくらいだ
昔の癖なのか紅葉の暗い表情が見たくなかった

「じゃあ、一緒に探しに行くか?」
 
元気になって欲しく考えもせずに
言葉が出ていた

「うん」


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