「孫子の兵法」に学ぶスピーチ 空気に色を付け「見える化」する技術(巻末付録①「ミニ講座 スピーチライターの実務に学ぶ」)
スピーチライターの役割は、「(書いた物を)読み上げるスピーチ」における原稿作成です。基本的には以下の手順で仕事を進めていく形になります。
1.話す人に取材を行う。
スピーチの目的は「話す人の身の丈(人格・見識)の高さ」を「見える化」することです。
仮に身の丈に合わないスピーチを行ってしまうと、後で「あの人はいっていることと、やっていることが違う」という事態を招きます。
人によっては、「自らの見識のなさを、盛りだくさんの情報でカバーしたい」という人もいますが、悪い意味での「保身」に同調してしまうと、逆に恥をかかせる結果になるので注意が必要です。
したがって、「現時点でその人がどのようなことを考え、何を表現したいと思っているのか」ということを把握することが重要といえるでしょう。
取材をする際には、潜水艦が周囲の状況を把握するために利用する「ソナー」をイメージしながら、話を聞き取るとよいでしょう。
●パッシブソナー(聞き耳を立てる) 聞き役に徹し、時に相槌を打つ
・メリット 話がはずめば、相手が多くのことを語ってくれやすい。
・デメリット 表面的、建前だけの話になる可能性もある。
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