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この年末年始のコミュケーションは大変だった訳

それは年々感じていたことだった。
年末年始の挨拶は、昔はとてもシンプルで風情があった。
ところが、電子メールが登場して趣が変わった。
私もご多分に漏れず、それまでは年賀状だった。
プライベートでは、学生時代の友人中心に毎年恒例の年賀交換。
仕事では、創業した約30年前から、徐々に会社としての年賀状が増えていった。1年目などは、いまやほとんど記憶にないが、100通あったかないかではないだろうか。顧客開拓が何よりも優先で動いていた時期で、年賀が送れる事の喜びが勝っていた。

顧客が法人中心だったこともあって、年々年賀の数が増えてくる。1万枚が見えてきたころに、申し訳ないと思いながら、年賀状の送付先を絞り込むようになった。
正直、流石に顔も覚えていないような方に、年賀状だけの挨拶もなんとなくやめようと思った。もちろん、会社の顧客データにはあるので、会社の財産としては常に維持はしてきたが、やはり、年賀状の挨拶が今よりも価値があった時代は、特別なもの感でいようと思った。

だから、世の中に電子メールでの年末年始の挨拶が増えてきた中でも、私も並行して年賀状は使っていた。そして、数年前から会社としての年賀状はやめた。そして、自社の情報マガジンか何かのレターを送ることに切り替えた。

今年は、ブレインワークスナビを送付させていただいた。数も限定した。なぜなら、電子メディアとしても見られるからだ。こちらは、電子メールでも12月中にお送りした。

ブレインワークスナビ新春号

この数年の特に大きな変化は、SNSでの年末年始の挨拶が格段に増えてきたことだ。
個別のメッセンジャーやLINEは言うまでもなく、投稿と言う形での年末年始の挨拶に遭遇することもかなりの数だ。

こういうのは見なければよいのだが、普通にSNSを日常の延長で見ていると、確かに今日は大晦日だよな。そして、翌日は元旦だよな。という風に、他人ごとのように人の活動が目に入るようになってきた。

一言で言えば、たった20年で、年末年始の風情や独特の数日間の感覚は今や消えてしまった。 もちろん、この期間メールも見ず、SNSも開かず。こういう風に断スマ、断パソコンすればよいだけなのだが、ことはそうはいかない。

会社で言えば、昔なら、年始の業務が始まって落ち着いて会社に出で、届いた年賀状に目を通す。そして、もし送っていない方から年賀状が届いたら、年賀状を新たに送る。こんなおつきあい感があった。
ところが、今はSNS全盛時代。どうしても、インスタント性に支配され、早く返信しないと焦燥感にかられる。
これは年々エスカレートしていく。

シンプルに言えば、相手の返信を期待するのを皆が止めて、SNS的年末年始の挨拶は、近況報告の一方通行になった方がとても楽だと思うのは、私だけだろうか?

こんなことを書きながらも、昔の習慣から脱却できない私は、1月5日までに、いただいた年賀状の確認を除いて、SNS、メールなどの一つずつに返事を終えることが出来た。
さて、来年はどうするものかと考え中だが、最初から返信はしません。と、SNSなどに投稿するのもありかと思う。
まだまだ、IT環境の劇的な変化に、人間が適応できていないことの典型だと思うし、そもそも、疲れていると思う。
やっぱり年賀状はとても良い作法だったように思う。
まあ、1年じっくり、考えてみることにしたい。

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以上