アンブレラがない
本日また記憶ない一日、朝ギリギリだった事、バイト先へ向かう道中、皆んな日傘をさしていて、ワテも欲しいがなとグリグリメガネでオフィスに向かうビジネスヒューマンを見ながら、せやけど3じぇん円くらいしよるやろからなあと思ったらUber eats11件分くらいはせにゃならん。
しかもセコやから2件で400円とか値切ってきよるしと考えていたら、改めて相変わらず低所得者なんだなとゾクっと怖くなってきた。
そんな内から来る寒気と天から降り注ぐ熱射に挟まれながら恨めしげに眺め、ふと気付く未だに男性の日傘差す人が少ない。
金あるやろに横着して大丈夫なんかい、いつまで見栄張ってマッチョ主義のパパの幻想を追いかけてんのやと思ったがそこら辺は個人の自由で煙草吸うんも、酒飲むんも、ベースレスのスリーピースバンドするんも各々の勝手であるがもし幻想に囚われて差せないでいるならば踏み出す勇気を持てばいいのに大人なんだからとエア説教をかました後は記憶がない。
途切れ途切れ昼休みに自前弁当かっ込んで働き蟻達の蠢めくオフィスの谷間日陰のベンチでキリギリスの私仮眠して本日のバイトの終わりを祈っていた。
バイト終わりに緊張感のほぐれから爆食い、多分血糖値が急に上がってフラフラに公民館で意識を失う。
気が付くと窓の外稲光、直ぐにどデカい雷の音、結構近い、今年一番の轟音でションベンを漏らす。
今出ても雨晒しに遭うと思いボケっと留まる。
備え付けてある新聞を眺める。いわゆるスポーツウォッシュの裏側で問題は山積みのままだし日常は続いている。
国内外は勿論、過去から未来へと続く様々な考えたり行動せねばならん問題がある。
私の目の前の天気の様に雨は降り続けている。
日本出身の選手たちを国力とダブらせて勝つ事が正義だと言っている様で、努力すれば報われ報われないのは努力不足とさえ言っている様な気もしてくる。
SNS時代になっても結局は再生回数、フォロワー数、視聴率、それ誰の為ですか。
資本家達、強者のお気に召すまま都合の良い生け贄を探しているだけじゃないのとボンヤリ考えていたら閉館時間いっぱいになった。
待っていたけど雨は止まなかった。
ある程度予想はしていたけどしょうがない。
濡れ髪の艶やかさで帰りの電車をウォッシュしてやろうか。
それぐらい訳も分からなくなって外に出る。
すると館内のスタッフの方が傘お貸ししましょうか。
今日のアタシの天使はアンタ。