映画 ゴーストインザシェル・攻殻機動隊 日米3作品を見比べてみたら
noteの映画評をザッピングしていたら、1995年版のゴーストインザシェル/攻殻機動隊(GS95とします )評を見つけ、ネットフリックスで見てみました。95年公開のアニメ映画にしては、CGの使い方や全体の雰囲気がいい作品でした。
さて、ゴーストインザシェルの劇場版には、大きく分けて3つがあるようです。
❶ゴーストインザシェル 95年版アニメ劇場映画
原作にあたる士郎正宗さんの漫画を見ていないので、的を得ているか不安ではありますが、1995年に義体と呼ぶサイボーグの概念をここまで具体的な映像にした押井守監督の才能は凄いなと思いました。
1995年といえば、阪神淡路大震災の年であり、オウム真理教による地下鉄サリン事件の発生した年でしたね。
近年、人の脳にインターフェースとなる電極を埋め込んで、コンピュータと接続するのも夢物語ではなくなりつつあります。しかし、サイボーグ自体がSFの夢物語でしかなかったあの時期に脊柱ごと脳を摘出して義体に移植するイメージを画像として具体化していたのは画期的だったと思うんです。
SFには、科学的な理論や法則をとりあえず無視して全く夢物語として描く作品群と、その当時の科学技術の水準を根拠にその発展形としてリアリティを可能な限り追求した解像度の高い作品群があります。
ゴーストインザシェルの世界を作った、士郎正宗氏は、なんと美術学校出の夢物語派だったんです!
この人の頭の中をディープスキャンしてみたくなった。🤭
まあ、士郎ワールドを忠実に動画化したのが、GS95だったのだと思うのです。
❷ゴーストインザシェル実写版
(アメリカ製)
GSについては、劇場で2017年公開のアメリカ映画のゴーストインザシェル(GSU17とします )を見たのがはじめでした。
主演はスカーレットヨハンソンで、彼女のボディも美しいし、アクションも凄い。
北野(ビート)タケシが9課の課長役でしたね(演技はど下手でしたが 笑)。「この作品にあの世界の北野監督にご出演いただきましたー!」て感じか。巨匠は「わしゃ日本語でしか話さん」とか言ったらしく、セリフは全て日本語でした。
このGSU17はCGやVFXの効果が上手く、近未来感が出ていて、いい感じでストーリーも展開されていました。ニッポンを想起させる街の描写は、アメリカ人が好きそうな、いかにも東洋のニッポンと中華のちゃんぽん的なイメージが大盛りだったので、ゲップが出そうでしたけどね。😆
GSU17を見てからGS95を見直してみると、23年前に映像化した作品とは思えないほど、先見性のある演出だったんだなぁと改めて感心しました。
そして、GS95のストーリー展開の方が難しかったですね。(士郎正宗原作の漫画の世界観を予習してないと、展開に乗り切れず積み残し状態で終了!チーンみたいな。)
逆に言えば、GSU17は、GS95やKodanshaのMANGAをリスペクトしながらも、期待通りのアメリカ映画らしく(単純なアメリカ人でも 笑)わかりやすいストーリーの脚本になっていました。
もっともコアなアニメや漫画ファンからは、「攻殻機動隊の哲学がきちんと反映されていないのでけしからん!」という批判も出たそうですが、自分はこれが一番すんなり受け入れ晴れました。
3作、と書きましたので、もう一作紹介したいのですが調べてみると実は、GS95公開から13年後、CG映像を中心にリニューアルされた『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』が、2008年に公開されています。これは見ていないのですが、マイナーチェンジ版でしょうか。まあ、これは見ていないのでスルーします。
❸攻殻機動隊 新劇場版
そして、『攻殻機動隊 新劇場版』(GHOST IN THE SHELL: THE NEW MOVIE)は、2015年に公開。これは、GS15としますね。アニメ制作では大御所の制作会社である、プロダクションiGが制作を担当し、脚本は作家の冲方丁と言うことで、見ないわけに行かないので、ネトフリで見てみました。
結論⭐︎ひとつ
第一印象。絵が好きじゃない。リアルな絵でなく、マンガっぽい。
第二印象。CGの効果薄いなあー。比べてみると「GS95の方がGS15より後に作られたんじゃないか?」と思うぐらい20年前の絵の方がよりリアルで良くできてるんです。
もちろんリアリティ感、没入感、アクションではアメリカ版のGSU17が凄いんです。実写版だから当然なんですがね。
新劇場版と唄ったGS15は、ざんねんないきものならぬざんねんなえいぞうでした。
個人的には、プロダクションIG作品群は好きなので、余計に残念でした。
3回も劇場版が制作された、この
GHOST IN THE SHELL
攻殻機動隊
原作のコンセプトが凄いですね。
作者の士郎正宗氏を研究してみたくなりました。
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