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映画 「ラストマイル」における〈シェアドユニバース〉は成功したのか?
(2024.10.6改題 と編集)
遅ればせながら、満島ひかりさん主演の映画「ラストマイル」観てきました。
文句なく本当に面白い映画です。
細かいところはさておき、上質の日本映画でした。監督も、台本脚本も文句なし。
主演の満島さんの芝居も好きです。
さて、ここからは、少し愚痴が出ます。
キャスティングについて物申す
問題は、一部のキャスティングです。
シェアドユニバースと称して、他のドラマのキャストをセットで引っ張ってきた部分です。
この映画のプロモーションで、この映画がシェアドユニバースであることが、メディアやSNSなど随所で強調されていました。
(アンナチュラル+MIU404)×ラストマイル
どちらのドラマも一応見たことがありましたが、当時は個人的にはハマらなかったのであまり真剣に見ていませんでした。
つまり、シェアされた世界に対して予備知識がない状態。
ラストマイルの宣伝では、シェアドユニバースがあまりに強調されていたので、映画館に行くまでにやっぱり見とかないと不味いのかなという不安がありました。
ここで、シェアドユニバースについて、AIに質問しました。
映画におけるシェアドユニバース
映画における「シェアドユニバース」とは、複数の映画作品が同じ世界観やキャラクターを共有する形式のことを指します。このような作品群は、独立したストーリーを持ちながらも、他の作品とクロスオーバーしたり、共通のテーマや出来事に関連したりする特徴があります。
**例: マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU)**
最も有名なシェアドユニバースの一つは、マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) です。各映画(例: 『アイアンマン』、『キャプテン・アメリカ』、『ソー』など)はそれぞれのキャラクターに焦点を当てた独立した作品ですが、同じ世界観を共有しており、キャラクター同士が別の映画で共演することがよくあります。また、全体のストーリーが「アベンジャーズ」シリーズのように一つの大きな物語に集約されることもあります。
シェアドユニバースの利点は、ファンが長期にわたってキャラクターや物語に愛着を持ちやすい点や、個別の作品間に相乗効果を生み出す点です。
ほう、やっぱりそうなんだ。
ならば、シェアされた元のシリーズに対して知らない(ファンではない)立場で、観てやろうと思ったわけです。
シェアドユニバースは成功しているのか?
結論として映画「ラストマイル」における、シェアドユニバースは、キャストの転用だけのただの刺身のツマでしたね。
「アンナチュラル」や「MIU404」のキャストが、ワンセットで「検死係」や「操作担当」をやってるだけ。
誰かが、ストーリー展開のキーパーソンを担っているわけでもなく、ドラマの出演者達が「ひとやま幾ら」で借り出されてる感じ。
ストーリー展開からみて、「アンナチュラル」や「MIU404」の誰かが、ストーリー展開のキーパーソンを担っているわけではないのです。
仮に彼らが出ているシーンのキャストを全て他の役者さんで入れ替えたとしても、ストーリー展開には全く問題ありません。
ですから、ラストマイル観るために
アンナチュラル✖️MIU404
を見とかないと、と焦った方は
予習ないで観に行っても大丈夫です。
プロデュースする立場の方からすれば、
「観客動員数◯◯人」とか、
「興業収入◯◯億円」とかを
打ち立てなければならないので、話題づくりは
大変な苦労なんだと理解できます。
しかし、他のヒットしたドラマから
そのスタッフを総出で借り出して、
ただドラマ出演者の同窓会の記念撮影のようなシーンを差し込むのが
シェアドユニバースの世界だとはどうしても思えません。
もし、本気でシェアドユニバースの世界を
狙うのであれば、
台本の段階できちんと噛み合う歯車に仕立てて、作品中で活躍させてあげないと。。。
今回のようなキャストの転用だけの
なんちゃってシェアドユニバースは、
相互作用による魅力のブーストにならない見本だと思いました。
「ラストマイル」は、本当に面白く、
テーマもしっかりしていたし、
テンポもいいし、
いろいろなパートで
きちんと伏線回収もされていて
後味がスッキリする映画でした。
もし、小説で読んだら、きっと眠れずに
一気読みしただろうなぁ。そんな本ですね。
私はこの映画は、単独の作品としても大変よく出来ていると思いました。
長く愚痴りましたが、この辺で。。。
映画って、ホントにいいですねぇ👋👏👏
追加🎞️
家に帰ってから、気になったので「アンナチュラル」や「MIU404」を一話ずつ見直してみました。どちらも、リアリティに関して設定に少しムリがあるとは思うのですが、ドラマとしてはとてもいい作品で好きだ、というのが感想です。
人気ドラマになった理由も再認識できました。
これらのドラマを起点とした、シェアドユニバース作品を名乗るのであれば、堂々と脚本に反映させて欲しかったですね。
🎬追加の追加🎬
映画のプログラムを買っていたのですが、実は今日(2024.10.6 )まで開いてませんでした。
プログラムに脚本の野木亜希子氏へのインタビューが乗っていましたので、コメントします。(先に読んでから記事を書くべきでした!)
インタビュアーの質問
「アンナチュラル」「MIU404」のメンバーが登場することで、人物たち全員が質な厚みになる。この構造に驚きました。あの面々は決してゲストではなく、この世界を構成する等価な存在なのだなと。
もし自分がプログラムのこの部分を先に読んでいたら、この人、本当に「ラストマイル」見て言ってるの?とツッコミたくなる質問です。
「アンナチュラル」「MIU404」のメンバーが登場することで、人物たち全員のが質な厚みになっていないし。あの面々の立場は単にゲスト出演でしたし。
この世界を構成する等価な存在にさせてもらってなかったし。
野木亜希子氏の回答を読んでみましょう
両ドラマの主役まで出すのはどうなんだろう?単体の映画としては、はしゃぎすぎ?という。でも出ていただかないと、「世界が同じ」にはならないと思い直しました…
中略
皆さんにとって楽しい現場で、ドラマがいい想い出になっていて、愛情も持ってくれていた。こういうことでもないと集まれない豪華メンバーなので、そういう意味ではお祭り映画ですよね。
…中略…
元々、塚原さんと「映画作りたいよね」って話していたんです。「アンナチュラル」は私が作りたいものを作って。「MIU404」は新井さんがやりたかったこと。次に何か作るなら、今度は塚原さんの番だし、映画にしようと。
野木氏の回答を部分的に引用
「アンナチュラル」や「MIU404」のファンからは、期待してたのに出番が少ない、と言う不満も出ていそうですね。
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![大村義人(ペンネーム )/じーちゃん](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147333579/profile_0653b57674f02b0621f1be80c7d07b97.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)