#19 再び外乗🐎の楽しみについて
外乗は、馬に乗って(あたりまえだけど)馬場や乗馬クラブなどの施設の外に出て楽しむ乗馬スタイルのひとつだ。
馬場の外で行われる競技であれば、いろいろな障害をクリアして駆けて技量を競うクロスカントリーや、長距離を移動しながら馬に負担をかけないように競うエンデュランスがあるのだが、外乗はもっと緩い乗馬の楽しみ方だ。
外乗って何?と問われれば、
外乗=乗馬+散歩
だと答える。
いや、「乗馬X散歩」かな。
外乗では、常歩(なみあし)、速歩( はやあし)、駈歩( かけあし)など、いろいろな動き方(歩様=ほよう)を使い分けながら、馬での移動を楽しむ。
もちろん、馬をコントロールしながらの移動だから油断は禁物だが、少しゆとりがあれば、常歩でゆっくり進みながら周囲の景色を愉しむ時間も多い。
まさに馬上で散歩の境地だ
ゆさゆさと馬に揺られていると、暖かい日差しの下でいい心地になって眠気を感じることもある。
外乗の場所によっては、地形や季節ごとの自然の変化を楽しむことも多い。
宗像では、見事に実った麦の畠を撫でる風を感じたし、菜の花で一杯の道を行くこともある。馬で初詣もさせてもらった。
八ヶ岳では、山の中で鹿の親子に遭遇したり、蕗のとうやフタリシズカの花を見つけたし、清流の水の美味さを味わったこともある。
北海道では、瑞々しい熊笹の葉が馬の大好物だと知ったし、ホップが木に実っているのを発見たりした。
(ホップは実のように見えるが、実は葉っぱ)
馬場での練習と違い、ゆとり時間がある外乗には、景色を眺め、発見をする散歩の楽しみもあるのだ。しかも、登山と違い、適度な時間の外乗であれば、あまり体力を必要としないので、高齢者にもお勧めだ。
登山と比べてラクチンな外乗
馬は人がギリギリすれ違える幅の路(みち )があればどこでも歩くことができる。馬道とでも呼ぶべき細い道は、人が歩くのも大変な道なのだが、馬はぐんぐん進んで行く。
かなり急な坂道の登り降りも得意だ。山に登るほどの体力が無くても、乗馬であれば馬が坂を登り、十分に森林浴を堪能できる。
対して山登りはどうだろう。
個人的にあまり山登りは好きでないので、あくまでも個人的見解だが…。
登山では足元を見ながら一歩ずつ進むので、自分には修行のように感じる。
(キツイし息がキレるのは普段の不摂生とトシの結果だけど)
本来、登山には体力もスキルも経験も必要なので誰でもできるというものではないと思う。
登山は整備された登山道を歩いて登るスポーツだとおもう。単独で登るのでなければ、グループのペースに合わせる必要があり、勝手に登山道を逸れたら危険だ。
馬ならば、30センチ程の幅の道があれば楽に進むことができる。草が茂っていても、馬の膝丈の藪であればまず問題なく分け行ってくれる。(もちろんそれなりの乗り手の技量は必要)
登山の効用を否定するつもりはないが、高齢者になってから始める趣味としてはいろいろな壁があるなぁと感じてしまう。
じじぃの山登りは、逸れたボールを追ってゴルフ場の斜面を登るだけでたくさんだ!
高い目線の眺めを愉しむ乗馬
馬の上からの目線は、登山者やハイカーの目線よりも高い。そこには登山者では見れない景色や得られない発見もある。
ハイカーの目線の高さは、バスケやバレーボールの選手でないかぎり、せいぜい160センチ。女性なら150センチぐらいだろうか。
乗馬だと馬の背丈にもよるが、一般的な大人の馬の背は14〜16ハンド(140〜160センチ)と言われており、ヒトの座高が身長の大体半分ぐらいとすれば、140センチの馬に身長150センチの小柄な女性が乗ったとして、140+(150÷2)=215(cm)
頭頂から目が15センチ下にあるとして、目線の高さは2メートルになる計算だ。
巨人の目線で散歩や山歩きを楽しめるのが外乗なのだ。
もっとも、外乗ではこの高さが仇になることもある。
桜の季節の八ヶ岳では、タイミングが合えば桜を見ながらの外乗を楽しむことがでる。
花見では桜の花を見上げながらその美しさを愛でるものなのだが、お花見外乗ならば、桜は目の高さに咲いているのだ。
これは外乗でなければ味わえない乗馬の醍醐味である。
馬上からは殿様かお大尽の花見🌸の気分♪
ゆうゆうと桜を愛でながらの外乗の後半で、桜の木の横を駈歩で通過の指示が出た。
了解👌
調子よく駆け出したはいいが、油断していた自分は横に張り出した枝の高さを見誤った。
一瞬、頭を下げるのが間に合わず、花が満開の枝に顔を突っ込んだ。幸い、メガネをかけていたので大した怪我はなかったけれど。
油断大敵 である。
つづく
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