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馬と体温調節 エンデュランスに憧れて❺ (ローズ🐴との対話つき)

🐴とともに走るマラソン競技と呼ばれる🐴エンデュランス競技では、馬の健康管理が勝敗の鍵とされています。

この健康管理には、心拍数、体温、水分補給、怪我や故障の防止などの要素があります。レースでは馬を走らせる選手の技量が大切なのは言うまでもありません。しかし走らせるだけでなく、馬を休ませたり、水分を補給させるサポートチームの役割も大きいので、チームレースの側面があります。

以前紹介した、村山由佳さんの小説「天翔る」では、主人公が世界最高峰のエンデュランスレースのひとつであるテヴィスカップに挑戦する場面が描かれていますが、サポートチームの働きもドラマチックに描かれています。
ご興味がある方は、ぜひお読みになることをお勧めします。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回は馬の体温調節の仕組みと、体温上昇対策を調べてみました。

馬の体温と調節の仕組み


馬の体温は37.5〜38.5


馬の体温の正常範囲は通常、37.5℃から38.5℃の間とされています。ただし、個体差や状況によって若干の変動があることもあります。馬が運動をしたり、環境が暑いと感じたりしている場合には、一時的に体温が上昇することもありますので、注意が必要です。体温が39℃を超える場合は、感染症などの健康問題が考えられるため、獣医師に相談することをお勧めします。

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エンデュランスのレースの前後には馬の健康を守るために参加している馬の健康審査が行われますが、途中のチェックポイントでも随時検査が行われます。
体温が高すぎる場合には、馬に負荷がかかり過ぎていたり、水分補給が足りていないのではないか?と言うことがチェックされます。

レースでなく、普段の乗馬でも暑い環境では馬の体温が上がってしまう場合があるので、馬の体温調節の仕組みを理解して、ケアしてあげられるといいですね。


馬の体温調節

馬の体温調節は、主に以下のような仕組みによって行われます。

  1. 発汗: 馬は汗腺を持ち、大量の汗をかくことで体温を下げることができます。特に運動時や熱い環境下では、発汗が重要な体温調節メカニズムとなります。

  2. 呼吸による熱放散: 馬が呼吸をする際に、呼吸気を通じて体内の熱を放散します。特に運動中は呼吸の頻度が増え、体温調節に寄与します。

  3. 血流の調整: 血管を拡張させることで、体表面近くに血流を増やし、熱を外部に放散します。逆に寒い環境では、血管を収縮させて体温を保持します。

  4. 行動による調整: 馬は環境に応じて行動を変えることでも体温を調節します。例えば、暑いときには日陰に移動したり、水を浴びたりすることで、外部環境からの熱を避けます。
    これらのメカニズムにより、馬は自らの体温を一定に保つことができるのです。健康な馬は、これらの調節機能が正常に働いています。


馬の体温管理の方法

を調べてみます

以下は馬の体温を適切に管理するためのポイントです。

  1. 定期的な体温測定:

    • 馬の体温は日常的に確認する習慣を持ちましょう。通常、37.5℃から38.5℃の範囲内であれば正常です。

  2. 環境管理:

    • 天候や季節に応じて、馬の飼育環境を整えましょう。冬は適切な防寒をし、夏は涼しい場所を提供することが重要です。

  3. 運動の調整:

    • 高温や湿度の高い日には、運動の時間を調整するか、一日の運動量を減らすようにしましょう。運動後はこまめに水分補給を行い、体温を管理します。

  4. 十分な水分供給:

    • 常に新鮮な水を提供し、特に暑い季節や運動後には水分補給ができるようにします。脱水は体温上昇を引き起こすため注意が必要です。

  5. 栄養管理:

    • 健康的な食事を与え、特にエネルギー源となる飼料をしっかりと摂取させることで、体温を維持しやすくなります。

  6. ストレス管理:

    • ストレスは体温に影響を及ぼすため、リラックスできる環境を提供し、過度なストレスを避けることが大切です。

  7. 異常時の対応:

    • 体温が39℃以上に上昇した場合、感染症などの可能性があるため、すぐに獣医師に相談するようにしましょう。
      これらのポイントを意識することで、馬の健康を維持し、適切な体温管理が行えるでしょう。定期的な健康チェックも忘れずに実施してください。

以上のようなポイントの中で、馬の管理者ではなく、ライダーである私たちが馬に出来ることを考えてみます。

①運動後のクールダウン
馬を運動させた後に運動を急に止めることは推奨できません。心臓への負荷の軽減、筋肉の痙攣などのトラブルを予防するためには、負荷の高い運動をさせた後には、ゆっくりした常歩の時間を必ず取ってあげましょう。

② 十分な水分補給
暑い日には馬繋ぎ場で水を与えてみる。基本的には馬が十分に水分を摂取できるように管理者が管理していますが、運動の前後に水分を与えてみるのは水分補給の補助になるのでお勧めです。


電解質を含む飲料(ポカリスエットなど)は、特に激しい運動や長距離の移動、熱い気候の中での運動後などで脱水症状を予防するための補水として役立つ場合があります。ただし、これらの飲料は糖分を含んでいるので、通常よりも薄めにして、馬が摂取する量を調節できるようにしましょう。
また、与える場合には、馬の管理者に必ず相談してから与えてください。

③冷却と汗の管理
冷たい水で洗ったり、湿ったタオルで体を拭いたりすることで体温を下げる手助けをします。特に首、脚、脇の下などの大きな血管が通っている部分を重点的に冷やします。
水で洗う時には、水の温度と水圧に注意し、耳や目に水がかからないようにして馬がストレスを感じないように配慮しましょう。
洗った後は汗こきやタオルで余分な水分を取り除く必要があります。


🏇🏇🏇コラム🏇🏇🏇
最近、ウエスタンレッスンでお世話になることの多い《ローズ》は、18歳の高齢者♀🐴です。
レッスンが終わった後の水やりの際にインタビュー🎤してみました。

🏇🏇🏇
じーちゃん  「今日はお疲れ様でした。暑い中、レッスンに付き合ってもらってありがとう」
🐴ローズ  「あ、どうも。あたしも歳だから、なかなか暑いのは辛いのよ」
じーちゃん 「お水汲んできたから、のみませんか?」
🐴ローズ  「ありがとね。でもなんだか飲みたくないのよ」
じーちゃん  「まあ、そう言わず。どうぞ」
🐴ローズ  「要らないってば。あたしゃ、ただの水は好きじゃないのよ」
じーちゃん  「あー、やっぱり真水なんか飲まないってことですかね」
🐴ローズ  「最近はさ、あれがあるでしょ?ポカリとかアクなんとかってゆうやつ。あれが飲みやすいんだよ」
じーちゃん  「困ったなぁ。今日は粉末用意してないもんで、水飲んでくださいよ。熱中症になっちゃいますよ」
🐴ローズ  「ヤダったら、イヤなんだよ!飲ませないなら、つぎのレッスンの時言うこと聞かないからね」
じーちゃん  「困ったなぁ。じゃ、自販機で買って来ますから、ちょっとお待ちを」
🐴ローズ  「待ってるから、早くね」

じーちゃん  「戻りましたー!このままだと濃すぎかもしれないんで、ちょっと薄めますね」
🐴ローズ  「ケチなこと言わないで、そのままおくれよ」
じーちゃん  「いや、そうゆーわけにも行かないんで。自分も飲みたいんで、半分こってことでどーでしょう」
🐴ローズ 「仕方ないねぇ。じゃ、半分こでいいから、早くおくれよ」
じーちゃん 「バケツに半分を入れて、と。残りは自分が飲みますよ。じゃ、カンパーイ」
🐴ローズ 「それじゃ、あたしもいただくね。乾杯! あー、薄いけど、やっぱり真水より美味しいわよ」
じーちゃん 「次回は、粉末買ってきますんで、レッスンの際には、是非よしなに」
🐴ローズ 「あいよ!あたしにお任せ。他の馬に当たってもちゃんと動くように、みんなにあたしから言っとくから」
じーちゃん 「そりゃ助かります!ローズネェさんは、いい女!いやいい牝馬ですねぇ❣️もー最高!」
🐴ローズ 「あんたみたいなジジイにおべんちゃら言われてもねぇ。嬉しかないけど、まあ、困ることがあったら、なんでもアタシに相談しなよ」
じーちゃん 「ありがたいです!じゃ、今後とも、ひとつよろしくお願い申し上げます。ささ、もうひとくち!」

🐴ローズ ゴクゴクのむ。

じーちゃん 「ネェさん、いーい飲みっぷりですね。ささ、もうひとくち、どうぞ!」
🐴ローズ 「それじゃ、もうひとくちいただくかねぇ。まー、なんだね。薄いけどこの水も慣れると結構イケるもんだね。あんた飲ませ上手だよ。憎いねっ❣️」

と、じーちゃんはローズに水を飲ませることに成功したのでありました。

つづく



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