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イケメン女子みゆとの出会い


まりんには友達が必要だと思った。

まりんはドッグランで他の子たちと上手く遊ない。

飼い主のそばで、ひとり大人しくしている。

他の子がお尻の匂いを嗅ぎに来た。
まりんは「イヤっ」とばかりに飛び退いた。

周りをみると、初対面と思われる犬たちが楽しそうに戯れ合っている。

「まりんは保護犬だから、
社会化の為の経験が足りないはず。」
「社会経験を積ませるために、
たくさんドッグランに連れて行かないと。」
「まりんは元繁殖犬。元飼い犬じゃないから
他の犬と上手く遊べないんだ」

当時私は、こんな事を思っていた。

おそらく全くの見当違い。
まりんは私達と一緒にいれればそれでいいのだ。

まりんの為と言いながら、自分が他の子と遊ぶまりんを見て満足したいだけだろ?

心の奥底はどうあれ、当時わたしは、まりんには友達が必要だと考えていた。

妹犬の条件

まりんがうちの子になってから半年くらい経った頃、他の犬との触れ合いが苦手なまりんの為に犬を探し始めた。

まりんの事を気が弱い子と認識していた私たちは、新しく迎える犬の条件を決めていた。

まりんより年下で、まりんより小さい、同じ犬種の女の子。

今回も、まりんと出会えた保護犬カフェから迎えようと思っていた。

まりんの時と同じように、スタッフブログで情報集めた。

と言うより、まりんを迎えた後も毎日欠かさずスタッフブログをチェックしていた。

自分はどういうつもりで毎日チェックしていたのだろう?いい子がいたら誰よりも早くコンタクト取る為?

奥さんも同じ事をしている。あるあるなのだろうか?

そうこうしながら月日が流れたある日のこと、1匹の小柄なパピヨンが保護されたことを知った。

体重1.8キロのメスのパピヨンで、歳は1歳、ソフィという名だった。

まりんが3キロある事を思うと、だいぶ小柄だった。決めていた条件に当てはめても、「この子いいかも」と思った。

この時も奥さんがカフェまでソフィに会いに行った。まりんを連れて。

ソフィは、まりんと同じ元繁殖犬で、出会った時は感情が読みにくい雰囲気で、あまり人に擦り寄ってこない子だった。

かなり痩せていて、毛も少し脂っぽく感じられ、まりんと比べてもあまりよくない環境で飼育されていただろうと想像された。

幼く、小柄で、あまりグイグイ来ないところは、まりんの遊び相手にいいのではないかと思った。

初対面の2匹はお互い関心を示す事なく、かといって不快感を示すこともなく、距離を置いて過ごした。

まりんのときも決断するのに勇気が要ったが、ミユの時はその何倍も悩んだ。

「犬」との触れ合いが苦手なまりんを喜ばせるために「犬」を迎えようとしている。

まりんを喜ばせる為と言いながら、本当は自分が飼いたいだけ?

いや、絶対ちがう。

まりんを間違いなく思っている。
知識不足な私達は、私達なりに真剣に考えていた。

迎えるならこの子しかない気がする。
でも迷う。

躊躇していたら機会を失う。

そう、この子もマリンと同じ「すぐ決まる子」だと思われた。

奥さんと私は連絡を取り合い、決めた。

ソフィ改め、「望結(みゆ)」が家族に加わった。

まりんとみゆ

真凛と望結の同居生活開始

カフェで顔合わせしたときは、お互い特に関心を示さなかった二人が、我が家で一緒に暮らし始めた。

犬に関心のない真凛だったが、家にやってきた新しい犬のことは気になって仕方がないようだった。

カフェでは分からなかったのだが、望結はおもちゃが大好きだった。

真凛のおもちゃを嬉しそうにカジカジしていた。

1歳だけあって動きが幼く、また、パピヨンらしくチャカチャカしていた。おっとりタイプの真凛は、望結の周りを、ただオロオロとしながら右往左往していた。

その姿はとても微笑ましく、家の中が急ににぎやかになった。


真凛の時もそうしたが、望結も健康診断に連れて行った。
そこで耳ダニが発見され、しばしの隔離生活となってしまった。

治療の間、ケージ生活を送る望結のことが早くも恋しくなった真凛は、ダメだと言ってるのに望結のケージに寄り添い、体を押し付けて恋しいアピールしていた。耳ダニはうつるのでヒヤヒやした。

治療が終わると2匹は、おもちゃの取り合いをしたり、近くで過ごしたりした。


真凛と望結は、心配していたよりずっとうまく暮らし始めた。

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