インターネットに完璧主義者は要らない?
日本におけるインターネット情報の信頼度は、コロナ禍だけでなく、さらに下がるのではないだろうか。特にTwitterなどは、誹謗中傷合戦の次に『アンジャッシュ渡部の不倫相手』の特定合戦が始まったらしく、誤爆された方はたまったものではない。なのに、多くの第三者にとっては、どうでもよかったりで、別の意味で不快感が残る。
もともと、発信者がプロ限定という時点で、新聞・テレビのほうが信頼度が高いのは当然だが、インターネットは自由であるだけに、”素人のやっかみ”を全面的に許すわけで、ますますおかしくなる。
本来、オフラインのコミュニケーションだけだった頃は、浮気不倫の情報ばかり追う人の話など、興味のない人にとっては意識にもとめなかった。
だが、ニュースポータルやらまとめサイト(キュレーションサービス)に接していると、私のような偏屈でさえ、そのような情報に出会ってしまう。それも、Twitterやインスタで披露されたセレブの情報および一般人の反応をまとめたものさえあるから、”素人のやっかみ”はより増大する。ついに、新聞やテレビまで取り上げるから、やっかみ屋にとっては嬉しくなって、さらに書き込みを続けるだろう。それが事実無根であっても。
とすると、新聞やテレビの生き残り方が見えてくる。
芸能人のプライベートまでを売ろうとする動きから一線を画するのがいいだろう。プライベートの販売は、すでにTwitterに限らずYoutubeなどで、芸能人自身によっても行われている。であれば、プロによる編集をしっかりやって、”これは見せ物です(演出が入っています)”感を明らかにしていくほうが、素人との違いを出していけるのではないだろうか。
テレビ番組テラスハウスの大失態は、インターネット上で良く見られる素人演出に寄せてしまったことだ。プライベートのように見せかけたから、演出含みの言動が演者当人のキャラクターと誤認され、やっかみ屋たちの攻撃にさらされたといえる。
では、「情報は、どうしても発信者の意図で修飾される」といったメディア・リテラシー教育をしっかりやればいいではないかとの話もある。私は、懐疑的だ。やったほうが良いけど、情報を丸のみしたい人、何かの偏った集団に従っていたい人は、必ず一定数出てくる。
ましてや、セレブを狙うプライベート攻撃合戦は、決してなくならない。華やかなものへの妬み・やっかみは、いつの世だってある。
要は、セレブもそうでない人も、発信者も受信者だけでいたい人も、お互いに完璧を求めないことだ。
アンジャッシュ渡部氏の場合は、グルメコメントにしても、相方と展開するコントのネタにしても『完璧!』と称賛されるものが多かった。そこへ、見た目も家庭での振る舞いも完璧な妻と出会う。完璧を求めた男だけに、ほころびが見えると大きく叩かれる。叩かれる前に出演自粛を決めた(これも完璧主義の表れだろう)のだが、しっかり話題にされている。
インターネットを使いながらも悠々としている方というのは、自分にもほど良く甘いし、周囲にも甘い。
明日は我が身というか因果応報というか、相互性というものがわかっていればいい。甘くされたい分だけ甘くすればいいし、叩かれる覚悟のぶんだけキツイ言動をすればいいだろう。
【追記】以下、いいお叱りをいただいたので、私の意図が誤解されないように書いておきます。
あくまで、新聞・テレビのほうが、インターネットよりも信頼されやすい傾向があることを話題にしただけで、新聞・テレビを信頼すればいいとは、一言も申し上げておりません。本文にあります通り、『情報は、どうしても発信者の意図で修飾される』のは、新聞・テレビでも同じです。皆様にとって、良い情報活用が進みますよう、お祈りします。
※写真は、総務省情報通信政策研究所の「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から抜粋させていただきました。
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ケイゾクエナジー近藤
SDGs的なことを書いていると思いきや、情報社会関連、大学でも教えているボランティア活動などを書き連ねます。斜め視点な政治経済文化評論も書…
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