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「寒露*あれよあれよと日が暮れて」

2024年10月31日

Sunset in Vancouver- Ducks in Flight

カナダde着物

第64話 
*袷着物の季節です*

 寒露(かんろ)とは、夜が長くなり、露がつめたく感じられるころのことで、朝晩の冷え込みはきつくなりますが、空気が澄んだ秋晴れの過ごしやすい日が多くなります。夜空を見上げると、より美しくきれいに輝く月が見られますね。

 当地バンク―バーでは、雨模様の日々が続きますので、合間に見る晴天はとても貴重に感じます。晴れた日でも夕方になれば、あれよあれよと日は暮れてしまいます。

 これからしばらくは、暖かい飲み物を手に取り、本を読んだり、映画を観たりして、心を落ち着ける時間を持ち、秋の夜長を楽しみましょうか。


晩秋 写真家:中村マント氏

*今日の着物*Today’s Kimono

「袷着物の季節となりました」

 10月に入り、衣替えの季節となりました。単衣<ひとえ>の着物から袷<あわせ>(*1)の着物に変わります。それに伴い、小物などはくすんだ秋色が似合います。

 ご存知でしょうか。若い頃に使っていた帯上げや帯締めをくすみ色に染め直すことができます。
 着物や小物を再利用することは、着物生活の醍醐味であり、次世代に継いでいく工夫でもありますね。

 衣替えで処分しようか困った時には、是非、お試しください。

美しい くすみ色の訪問着、帯上げと帯締め

*今日の和の学校*Today’s Gathering

「優雅な踊りと小唄で日本舞踊ワークショップ」

 日本舞踊(*2)は、日本の伝統芸能の一つで、優雅な踊りやしぐさ、そして豊かな表現力が魅力です。
 和の学校@東漸寺では、今年8月から月に一度の日本舞踊ワークショップを開いております。

 浴衣姿で参加される皆さんは、普段とは違う目線や脚の動きに戸惑いながらも、新しい文化の発見を愉しまれています。

 私も参加してみましたが、思っていた以上に足腰を使い、ゆっくりとした動きと身体のコアを使うなど、ヨガにも近いかも知れません。

 あと、小唄(*3)と呼ばれる三味線伴奏の歌曲に合わせて舞う日本舞踊は、西洋音楽の数学的に構築された音楽と違い、とても感覚的なようで、言葉(歌詞)が優先し、その後に音楽的な肉付けがなされるそうです。
 その言葉の感情の起伏・抑揚に応じて、メロディーやリズムが自由に変動する極めて精神的なもので、その中での“間”は、茶道でのお点前と共通点があるように感じました。

「日本舞踊の基礎を習う」

 ワークショップでは、まず日本舞踊の基本的な動きやポーズを学びます。独特の所作や歩き方を習得することで、身体全体を使った表現が身につきます。

東漸寺で日本舞踊ワークショップ

参照
日本の行事・暦:
http://koyomigyouji.com/index.html
きもの大辞典:
http://www.kimonodaijiten.jp/

*言葉*

(*1)袷あわせの着物
 裏をつけて仕立てたキモノの総称。袷羽織・袷長襦袢なども含む。男物袷の裏は通し裏。女物は胴裏・裾回しを用いて仕立てる。
きもの大辞典から:
http://www.kimonodaijiten.jp/

(*2)日本舞踊
 日本舞踊は歌舞伎舞踊の技法を基本とした舞踊です。男性だけの歌舞伎から派生し、女性による舞踊が加わったことが大きな特色です。お稽古事としても普及し、日本の伝統文化を支えてきました。
 踊りと舞としぐさ、これらの三つの要素を持つのが日本舞踊です。踊りは拍子にのるリズム的な要素が強く、舞はやわらかく、表現を内にこめることが基本となっています。
 近代に入り日本舞踊は歌舞伎から独立し、プロの日本舞踊家が多数生まれて活躍。多くの人を魅了し、伝統芸能の一大潮流を築きました。時を経て道を究め、芸術の域まで洗練された伝統芸能の真髄とも言えるでしょう。
日本舞踊協会から:
https://nihonbuyou.or.jp/pages/about_nihonbuyo

(*3)小唄<こうた>
 邦楽の種目名。三味線伴奏の歌曲の一つ。江戸末期に清元節の人たちが余技的に作曲し始めたもので、初期には端唄(はうた)に近かったが、明治中期ころから小唄独特の皮肉な歌詞、曲調が現れた。大正期にはお座敷芸から演奏会形式に変わり、家元制度が確立、昭和期特に第2次世界大戦後ひときわ盛んになった。小唄は端唄、うた沢よりテンポが速く、三味線は爪弾(つまびき)で歌を導いていく。現在では200以上の流派がある。なお、小唄以前に存在したはやり歌風の小編歌曲は小歌として区別される。
百科事典マイペディア<小唄>
小唄連盟から

初秋~仲秋に花織の名古屋帯。着物は 草花の色を参考にして選びます。

「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムは
こちらから

コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
13年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。
tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘がおり、バンクーバー近郊在住。

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