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「労災保険請求を会社に手伝ってもらうときに気をつけることは?①」


はじめに

労働災害によって怪我をしてしまった場合、治療費や仕事を休んだ場合の収入をどうするかといった問題が生じます。
その場合、労災保険の申請をすることが考えられますが、自分一人では対応できないこともあります。
この場合、会社に協力を求めることになりますが、その時に気をつけなければいけないことについてお話します。

請求人は労働者本人

まず労災によって怪我をしてしまった場合、労働者本人が請求人となって支給を求めることになります。
そのため、会社や事業主が「請求人」になるわけではありません。

ただ、労災保険の給付申請の際に作成する用紙には労働保険番号を記入したり、また事業主の証明欄への記載なども必要になりますので、会社に作成の協力をお願いすることになります。
会社によっては書類自体を作成し、労働者の署名だけ求めるという対応をすることもあります。
書類の作成もスムーズに進みますので、会社が積極的に協力してくれること自体は悪くはありません。

労働災害の発生状況の欄はよく確認しましょう

ただ労災保険の給付請求書の中で「災害の原因及び発生状況」を記入する欄があります。
ここはどこで、どのような作業をしている時に、どのような状況下で、どのような事故が発生したのかという労働災害に関して詳細に記入する欄になっています。

ここで、会社側がのちのち不利益になることを恐れて、事実と異なる記載をしたり、あるいは過少な記載をしてしまう可能性があります。例えば、本来執るべき措置を執っていなかったことを記入しなかったり、あたかも労働者側のミスが大きいことから事故が発生したというような記入がされてしまう可能性があります。

ここの記載は、労働基準監督署が労災保険に基づく補償を行うかどうかの判断の資料となります。そのため、事実と異なる記載がなされることで、それを原因として労災保険の認定がなされない可能性もあります。

そのため、労働基準監督署に提出する前に、必ずこの欄は確認し、事実と異なる場合には修正を求めることが必要です。

今回のまとめ

労災保険の給付申請は労働者が行うことになりますが、会社にはそれに協力することが求められます。
その過程で、会社側が自分達のミスを隠すような対応をされた場合には、のちのち労働者の不利に働く可能性があります。

このような事態を防ぐためにも、ご自身で確認することは大切ですし、不信感がある場合には一度弁護士に相談をして、対応を検討することをお勧めします。

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