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本にまつわるエトセトラです。
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#映画

2023年7-9月に出会った印象深いコンテンツたち

例年この手の記事を書くのは半年か1年に1回。ただ、この3ヶ月はかなり盛りだくさんだったので、記憶の彼方に行ってしまわないうちに…と思い、パソコンを開きました。 ※2023年上半期のnoteはこちら ※2022年のnoteはこちら。 ※2021年のnoteはこちら。 ■本・マンガ①『さみしい夜にはペンを持て』 ベストセラー『嫌われる勇気』のライターとしても知られる古賀史健さんによる中学生向けの本。 中学生向けではあるものの、これはそれ以外の年齢の人も、特にオトナたち

2023年上半期に出会った印象深いコンテンツたち

早くも折り返しを迎えた2023年。記憶が鮮明なうちに、上半期に出会った印象深いコンテンツたちをまとめておきたいと思います。 ※2021年のnoteはこちら。 ※2022年のnoteはこちら。 * * * * * ■本①キム・サンウク『K-POP時代を航海するコンサート演出記』 BTSをはじめとする数多くのK-POPアーティストのワールドツアーコンサート・ファンミーティングで総演出を務めてきた「PLAN A」の社長・代表プロデューサーであるキム・サンウク氏の著作。

「一万円選書」当選物語:#5『横道世之介』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 ***  5冊目は吉田修一著『横道世之介』。  主人公は、大学進学のために長崎から上京した横道世之介18歳。地元を離れ、進学・就職したことのある人なら誰しも「こんなことあったな」、「この気持ち覚えてる」と思えるようなそんな小説。  中国語でも出版され、映画化もされています。映画の出演陣は高良健

憧れの向こう側−10年越しの夢の先にあったもの−

■プロローグ来た。ついに来てしまった。10年以上憧れ続けたこの場所に。いつか大切な誰かと来るのだと信じていたこの場所に、私は今、一人で立っている。 ■旅の始まりこの旅はきっと、初めてこの場所を知った10代半ばの頃から始まっていた。『冷静と情熱のあいだ』。1999年に江國香織・辻仁成の両名によって小説が発表され、2001年には竹野内豊とケリー・チャンが主演で映画化されたこの作品。この作品の中で主要な舞台の一つがイタリア・フィレンツェ、さらに言うならフィレンツェのドゥオモことサ