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バスケットボールで4ポイントシュートが採用されるとどうなりそうか,Bリーグのショットデータで計算してみた
概要及び主結果
バスケットボールに「4ポイントフィールドゴール」が導入されたら,戦略が結構変わりそう.
(4ポイントが導入されていない)Bリーグのショットデータを使って得点期待値を計算してみました.
4ポイントは得点期待値が結構高い.
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フィリピンのプロバスケットボールリーグ,PBA(Philippines Basketball Association)が2024年8月開始のシーズンから4ポイントフィールドゴール(4PFG)を採用するそうです.
「4ポイント」が導入されるみたいです.
【4ポイント制導入】
— 東アジアスーパーリーグ(EASL) (@EASLofficial_jp) July 23, 2024
PBAはシーズン49から4ポイント制を導入する予定。
距離は27フィート、およそ8.2メートル。#EASL #PBA pic.twitter.com/JC32A09Pda
ラインの位置はバスケット(ゴール)から27フィートで約8.2メートル.図示するとこんな位置です.その他の黒線はBリーグ(FIBAルール)のものです.(PBAのコートはFIBAルールと少し違うようですが,3ポイントラインの位置は10センチ程度しか違わないようです.)
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4ポイントの成功率や得点期待値を計算してみる
日本のB1リーグ2022‐23シーズンのフィールドゴール位置のデータを公式から取得していたことがあるので,それを使って4ポイントの成功率や得点期待値を計算してみます.
ショットチャートに4ポイントラインを引くとこんな感じ.
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今のルールでも「4ポイント」の位置のシュートはそこそこ本数がありますね.取得したデータ内では約3%でした.
それぞれのシュート位置付近での成功率を計算し,得点(2, 3, または4)をかけて得点期待値を算出しました.
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4ポイントラインの外側に黄色い=得点期待値が高い箇所がいくつかあることがわかります.ゴール下と同程度かより高い値になっていますね.成功率は距離に対して滑らかに変化するのに対し,得点が3から4にひととびに変化するので,4ポイントラインの前後で得点期待値が大きく変わることになります.これは今の3ポイントの仕組みとも同じです.
もちろん,ここで示しているデータは4ポイントラインがなくて,その位置からのシュートに対する守備を厳しくする利点がなさそうである,という前提で得られたものです.4ポイントが実際に導入されると攻守ともに選手の動きが変わるはずですが,それが得点期待値にどう影響するのでしょうか.