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「市ヶ谷の杜本と活字館」で尋常じゃない量の活字を観てきました.

(2022年5月訪問)
「市ヶ谷の杜 本と活字館」に行ってきました.いきなり余談ですがこの博物館名は「本と勝つ時間」と誤変換されます.

この日の午前の記録はこちら(「印刷博物館」からのハシゴでした).

印刷博物館から「市ヶ谷の杜 本と活字館」に移動.こちらはDNP(大日本印刷)が運営している企業博物館です.古い社屋を修復・復元して,特に活版印刷の道具を中心に展示しています.こちらは館内撮影可能.


「本と活字館」外観

「活版印刷」は文字ごとに印鑑のような金属片(活字)を作り,それを組み合わせて版を作る印刷方法のことです.館内は活字モチーフの小物も多く,遊び心が良い感じです.

名前の二文字目(英)がそろった!(「小」はヘッダ画像に)

活字で版を作る,となると本のすべての文字を順番に選んで並べる,という工程が必要になるはずです.特に漢字の文字種が多い日本語でそんなことをやっていたのだろうか…文庫本1冊でも数万字ですよね…と,今の時代からは信じられないんですが,もちろん一時代を支えた印刷技術です.この博物館では実際に利用されていた活字置き場や印刷機が再現されています.


活字,すげー量!!

頻繁に使われる文字は活字の個数も多くなるので,とんでもない量の活字が準備されることになります.大きさ(フォントサイズ)違いの文字も全部別のものを用意しなくてはいけません.
展示室内にはおびただしい量の活字があったように見えましたが,これでもほんの一部だそうで,活版印刷時代の本の貴重さがよくわかります.そりゃ誤字脱字衍字が出るよなぁ.そして活版時代に数学書を作る難しさなども想像してしまいます(展示では言及されていませんが)


卓上の活版印刷機で活版印刷を体験できたりします.インクを伸ばす(丸井円盤部分の赤色はインクが伸びたもの)のと,活版を紙に押し当てる感触が楽しいです.


この時の企画展示スペースでは製本の歴史が分かる展示が開かれていました.糊や紐など,綴じ方の技術にも当然変遷があり,現役の印刷会社として面目躍如といった雰囲気の展示でした.こういうのが見たいくて企業博物館に行くんですよねぇ.

「印刷博物館」と合わせて,印刷に詳しくなった一日でした.

しかもなんとこのシリーズには続編があります(そのうち公開するかも).

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