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みんぱくで圧倒されてきました

(2024年9月訪問)

私,デイリーポータルZ(https://dailyportalz.jp/)とそのスピンオフ的Webラジオ「超旅ラジオ」(https://www.youtube.com/@cho-tabi-radio)のファンなのですが,そこで繰り返し言及されるモンスター施設があります.(これらのリンクは記事の最後に.)

みんぱく.

正式名称を「国立民族学博物館」,大阪北部の万博記念公園に居を構える民俗学の研究展示施設です.

館内案内図です.

こうした図に「距離」が書いてあるのって結構珍しくないですかね?一辺40mくらいの正方形の展示室が合計7室.展示順路をきちんと歩くと1.5キロくらいありそうです.

私の職場(名城大学)と比べてみます.


みんぱくと名城大学

やっぱりみんぱくの建物が巨大.しかも,左側は建物内が展示と収蔵品でみっちり詰まっていますが,右側は講義室など普段人や物が入っていない空間がかなり多い.

実は十数年前にどんな施設かよく知らずに入ったことがあるのですが,あまりの巨大さに返り討ちにあいました.なので,この日は予習も気合も十分,朝早くから移動して覚悟を決めて入館しました.


船!でかい!見覚えある!

オセアニアから展示が始まるんですが,しょっぱな見覚えのある巨大な船に戦意をかなりそがれてしまいました(笑).このあとどれくらい続くか想像できているだけにかえって…


特に意図なく写真を並べましたが,これが1.5km間断なく続くんですよ.想像できます?行った後でもきちんと想像できません.

で,今回とてもいい鑑賞体験だったな,と思ったのが専用デジタルガイド.

スマホ端末+ネック掛けスピーカーで耳の負担が軽かったのがまず良い(イヤホンは環境音が聞こえづらくなってよくないんですよね.)
そして大量の映像コンテンツ.2,3分の解説映像がついている展示品が結構あって,たぶん数百はあるんじゃないかな…きちんと映像見ながらだと全然一日では足りません.リピートすっか!という人のために映像の視聴履歴をQRコードで持って帰れるのが細かい気配りでうれしいですね.

(ちょっと使いづらかった点:端末のビーコンと画像の画像認識(たぶん)で,展示品にカメラを向けると再生ボタンが表示されるんですが,これの距離感がちょっと難しかったです.よくある数字を直接入れる方式が見当たらなかったんですが,どちらも用意してもらえるともっとスムースな鑑賞体験になったように思います.あと,音声連続再生モードがあると嬉しいかなぁ.垂れ流しにしていて気になる単語が聞こえたら展示に行く,ってのができるので.)

世界各地の「ふつうの生活」を愚直に集め続けるとこんな質と量になるんだ!という圧倒感.

自分がこうした展示巡りを始めたのが美術館,特に西洋美術だったこともあって,美術館や博物館といえば「名のある誰かが成し遂げた偉業・傑作」を見に行くんだぞという意識が強かったんですが,まぁちょっと飽きてきたかなーという感じもあって.カウンターとしての「誰かが日常のために成し遂げた何か」はありふれていて偉業とはみなされないんですが,ありふれていることがすごくないことを意味しているなんてことももちろん無くて.ただ,多様さが有り余っているから,それらの大半を私は根本的には理解できないんでしょうけど.けどその理解しきれなさをあるがままに大量に浴びることは,自分の立脚する普通さのすばらしさを改めて浮き立たせてくれるような感覚になりました.いい体験でした.

レストランでゆっくりお昼休憩はさんで…とか予定してましたが無理!.後半の東アジアは早歩き気味に…(みんぱくあるある).結局ランチ抜きで次の予定,太陽の塔内部公開へ向かいました.この時間を最初に決めておいて結果的に良かったです.続く.

参考記事・動画


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