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今になって思うこと

母が病院に通っている。

元々の治療の他、検査過程で思いもよらぬ数値が出た箇所があって、そちらも見てもらった方がいい、ということで2種類の通院を交互に行っている感じ。

本来の治療はもう間もなく終了。途中で見つかったものも、検査したけど特に目立つ問題は結局見つからず終わりそう。よかった。


うん、それはよかったんだけど、母が何気なく言ったことを忘れないでいたいと思ったのでここに書く。
本人はいたって元気なんだけど、その思わぬ数値とやらがお医者さん的には心配なものだったらしく、けっこう入念に検査をしたとのこと。

「採血が終わった、じゃあ次はあっちに行け、やれ心電図だ何だって、もうあっちこっち行かされて疲れちゃった」
「…………でも私は日帰りだけど、お父さんなんて検査で入院してたんだもんね。もっといろいろやってたのかな、大変だっただろうな。だからしゃべってくれなくなっちゃったのかな」


亡くなる2ヶ月ほど前から、父は何も話してくれなくなった。話せなかったのか、話したくなかったのか、今でもわからない。ひょっとしたら2か月間、ほとんど意識も朦朧としていたのかもしれない。


あの当時は「どうして何も話してくれないの」「言ってくれなきゃわからないよ」「言葉じゃなくても、身振り手振りとか、指さすとか、何か意思を示してほしい」ずっとそんな風に思ってた。


今になって、「ひょっとしてこうだったのかな」「辛かったのかな、どれだけ大変だったのかな」なんて、考えてみる。お陰様で大病もしたことがないから、検査も入院も大変さは本当に想像だけになってしまうけど。


亡くなってから、初めて考えること、思いをはせることもあるんだな。自分も年老いていって、いつか今の両親くらいの年齢になって、その時にやっとわかることも、あるのかな。

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