弘來

興味があるもの 美術館、ギャラリー、映画、ミュージアムグッズ、石、本、旅、スピリチュアル、陰謀論 興味がないもの アウトドア、キャンプ(ハイキングは例外)

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最近の記事

「カモン カモン」/ マイク·ミルズ監督 / 2021 /アメリカ

独身中年男が、妹の9歳の息子を預かって心を通わせていく話。映画はモノクロで、ホアキン・フェニックスが子どもたちにインタビューするドキュメンタリーのシーンと甥っ子との会話と妹や同僚との電話のシーンと、派手なシーンはないのですが、ところどころに挟まれる無音の記憶の欠片のようなシーンがとても重要です。そういう意味では、映画でしか描けなかったのかもしれません。。 預かった、聡明だけどちょっと面倒くさい甥っ子のジェニーが伯父のジョニー(名前がややこしい)が疲れて休んでいる間に、普段は

    • フォロー・ミー/キャロル・リード 監督/1972/アメリカ

      「東京公園」という映画を観ました。主演の三浦春馬も監督の青山真治も鬼籍に入られています。青山真治監督の映画は、「ユリイカ」は見ていないので何とも言えませんが、「共食い」「空に住む」など、私自身は、ちょっと登場人物の感情に共感しにくく、全体的に第三者目線で「ふーん」といった感想を持つ感じです。 で、「東京公園」を観て「フォローミー」という映画を思い出しました。東京公園は、原作があるようなのですが、作者は「フォローミー」をオマージュしたのだろう、と想像します。 以下ネタばれあり

      • 芝公園六角堂跡

        西村賢太氏は、芥川賞受賞時の発言など、なんか下品だと思い敬遠していたのですが、急逝なさった時に「歿後弟子」として藤澤清造という不遇な作家に私淑しのめり込み、石川県まで月命日と命日に欠かさずお墓参りを二十六年続けていたことを知りました。2002年には藤澤清造のお墓の隣に自らの生前墓を建てたのだそうです。さらに全集まで刊行し、藤澤清造という作家が陽の目を浴びるよう努めた師匠孝行な弟子でもありました。 「芝公園六角堂跡」を手に取りました。 ····で、これが私には大変読みやすく、決

        • 太宰治

          これは、青森で販売されているカステラ。大きくて食べ応えがあるし、パッケージも面白い。これを一気に食べたら、「人間失格」と落ち込みますが。。 因みに、太宰治を好きな人は多いのですが、私はあまり好きではありません。川端康成に芥川賞を懇願するせこい手紙を読んでから益々嫌いになりました。自分のせこさを臆面もなくさらけ出しているところは、まあ凄いのかもしれませんが。「桜桃」の「子供より親が大事」とか、「はあ?」と思ってしまいます。で、桜桃忌とはなんぞや。 ホントは自分を「いい男」だと、

          「いい子のあくび」/ 高瀬隼子 / 集英社 / 2023

          「ぶつかったる」 と、スマホを見ながら周りに注意も払わず、駅構内を闊歩する輩、ながらスマホで自転車に乗る中学生に嫌悪感を抱き、密かに体当たりする主人公直子。 よく気の付く「いい子」は、小学校の頃、校長先生の話をあくびを噛み締めながら熱心に聞いている振りをしていた。 そんな直子が思う 「なんだわたしやっぱりこいつならいいやって選別されてぶつかられてたんだな、と今更のように気づいたのだった。分かっていたけど、分かっていないことにしていたような、それで、わたしもよけるのを止めにした

          「いい子のあくび」/ 高瀬隼子 / 集英社 / 2023

          じゃむパンの日 / 赤染節

          赤染晶子さんの芥川賞受賞作「乙女の密告」は未読だったのですが、赤染晶子さんは2017年に早世なさり、生前残された作品はほんの僅かです。。 一昨年末に、彼女の編集者だった方が、エッセイを纏めた本を出版しました。「じゃむパンの日」。ネットニュースで見かけて取り寄せました。編集者の方が「赤染晶子という作家を忘却の彼方に追いやりたくない」と願ったことがとても理解できました。凄く面白い。ユーモアがあって皮肉屋だけど、かなり繊細な方だと想像出来ます。エッセイなのに小説のよう。どこまでがノ

          じゃむパンの日 / 赤染節

          グレーゾーン

          自分が子供の頃に、クラスに1人くらいは「ちょっと変わった子」というのがいて、確かに授業中に座っていられなかったり、ハサミが使えなかったり、字が書けなかったり、、と今でいう、発達障害に括られる子供たちが、個性的な子供として存在していたかと思います。。そして、そういう子たちのお世話を率先してする自分がいました。(ある時まで、そういうお節介な子供でした) だけど、、今、ネットで適応障害とか発達障害とかの簡単な診断をすると、絶対引っかかる!なんなら全てにチェックが入ってしまうことに愕

          グレーゾーン

          怠け者 はじめてのnote

          自己紹介で立派なことを書きたいのですが、振り返ると、全く努力をしない他人に依存した人生でありました。 自分なりに頑張ってきたこともあったかもしれません。それでも継続出来ませんでした。 中学受験で覚えたのは、いかに上手に勉強する振りをするか、中学、高校と何かに必死になったこともなく、それでもプライドだけは磨いていき、たいして成績もよくなかったから、それなりの大学に推薦で行って、モラトリアム期間で大学院に進み、特に働かなくても良い状況に甘えて、まあまあ見栄えする手近な場所でパート

          怠け者 はじめてのnote

          ヒルマ·アフ·クリント

          先日、国立近代美術館の「ハニワと土偶の近代展」に行って美術館を出た時、外にある大看板に「ヒルマ·アフ·クリント」の文字とあの独特な絵を観た時には、今さっき常設展示で観てきたマックス·エルンストのなかなか良かった絵や、ジョセフ·コーネルの作品の印象など一気に吹っ飛んでしまいました。 ああ、ヒルマ·アフ·クリント! 彼女の名前を知ったのはおよそ10年ほど前。まだ日本語で検索してもあまりヒットせず、詳しい情報を得られず、ムズムズしていました。生来のお節介から回りの人に紹介したりもし

          ヒルマ·アフ·クリント