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《番外編》日本語検定2級挑戦記①
どこまで需要があるかは分かりませんが、個人的な記録も兼ねてちょっと書いてみようと思います。高得点を狙う方にはあまり役に立たないかもしれません。
2024年の6月に日本語検定(語検)の2級を受検し、認定されました。
受検のきっかけは、Xで漢検関連のpostを見ていく中で、時々「日本語検定」や「語検」という言葉を見つけ、興味を持ったから。半分「ええい、儘よ」の感覚で挑みました。
1.日本語と私
◆日本語を「読む」「書く」こと
昔から国語は嫌いではなかったですし、本を読んだり文章を書いたりすることも割と好きでした。
とはいえ、それはあくまで「好きか嫌いか」という中でのお話。学生の頃は思ったこと、感じたことを書いていればまぁまぁ許されることもありましたが(それでも大学のレポートや卒業論文は別ですが)、社会人ともなれば、報告書に「…と思いました。」と書いてしまっては上司に突き返されるかもしれません。何とか、社会人として恥ずかしくないような文章を書けるようになりたい、という思いは持っていました。
「無駄のない文章」「洗練された文章」「趣旨や感情が伝わりやすい文章」…。こうした文章を書ける方は、本当に尊敬します。ではそうした文章を書けるようになるにはどうすればよいか…。私は「語彙を増やす」「表現の幅を広げる」ということが一番の捷径ではないかなと考えています。
ちなみに、以前にも「文章を書く」ことについて記事を書いていたみたいなので、興味がある方はよろしければこちらもご覧ください。
◆日本語を「話す」こと
どちらかと言えば、言葉にはそれなりに厳しい家庭でした。かなり浸透している(と思われる)ような言葉でも、「せっかく◯◯って言葉があるんだから、そんな言葉を使うな」というような指摘をされることもしばしば。「ヤバい」「エモい」という言葉が出てくれば「最近の人はそれしか言えないのか」「意味がわからん」というようなことも言われます。
親世代が(親世代ではなくても)自分の中に違和感を持つ言葉、もちろんそうした言葉があることは不思議ではないのですが、ではなぜその言葉を使うなといわれるのか、という理由を自分なりに考えると、これって意外と上手く説明できないな…と感じました。何となく、「違和感を持つ人もいるから」という理由だけでは論拠に乏しいような気がしてしまうのです。
ですが、社会全体で見ても「この言い方はおかしくない」「この言葉はおかしい」という捉え方に世代間で差がある言葉は、「最近頓に浸透してきてはいるけれど、(特に年配の方の中には)違和感を持つもいるから使い方には注意せよ」というところに落ち着くことが多いな、と感じます。「まぁ嫌に思う人もいるからさ、その言葉、使う時には注意しなね」という感じでしょうか。
であれば、できるだけ多くの人が違和感を持たずに受け入れられる言葉の抽斗をたくさん持っておくことが、もしかしたら円滑なコミュニケーションの一助にもなり得るのではないか…?そういう思いも抱いていました。
(ちなみに私の場合、できるだけ自分が違和感を持つ言葉に出会ったとしても、それを殊更に論ったり、指摘したりしないようにしています。別の誰かにとって「違和感を持つ」言葉を私が無意識に使うことも大いにあり得るので、自分の違和感を相手に指摘することが、しっぺ返しになることも考えられるからです)
2.使ったテキスト
さて、日本語検定を受けることにしたはいいものの、全くの丸腰では何もできません。まずはテキストを見てみようと思い、駅のモールにある書店へ行きました。
テキストがない。
「日本語能力検定」という、日本語を母語としない外国人の方向けの試験のテキストはたくさんあったのですが、「日本語検定」のテキストは1冊もない。以前、同じ書店で漢字検定のテキストを購入していたのですが、かくも扱いが違うのかと驚きました。
仕方がないので、某ターミナル駅の近くにある大きな書店へ。
あるけど少ない。
かなり大きい書店なのですが、日本語検定に関するテキストの扱いはほんの一区画。しかも棚の上の方にあるので、背伸びしてやっと取れるという状況。
とはいえ、テキストがあったことに変わりはありませんので、腹筋を攣りそうになりながら、テキストを購入しました。それがこちら。
①『「日本語」上級』(東京書籍)
私の場合、初受検は2級にしようと決めていたので(今思えば些か無謀だった気もします)、最初からこの「上級」を買っていますが、「中級」(3・4級用)や「初級」(5・6・7級用)もあります。日本語検定は主に「敬語」「文法」「語彙」「言葉の意味」「表記」「漢字」の6領域+総合問題に分かれていますが、このうち総合問題を除く6領域が網羅的に書かれています。
(ここで補足しますと、日本語検定はたとえ総合得点率が認定圏内でも、7級を除いては先述の6領域のうち1つでも得点率が5割未満の領域があるとその級の認定がされません。弱点があると途端に認定が遠のいてしまうのです)
②『日本語検定 公式練習問題集 2級』(東京書籍)
日本語検定は初挑戦だったこともあり、問題の傾向を把握するために購入しました。電車の中で解いてみたり、仕事中の昼休みに解いてみたり。特に「語彙」や「言葉の意味」の問題では、不正解の問題や自信が持てなかった問題の言葉を調べることもしばしば。「敬語」も、自分が今まで使ってきた言葉はもしかして誤用だったのでは?と気づくような問題があり、否が応でも自分の日本語レベルを痛感させられることとなりました。
ところで、日本語検定の2級は、公式サイトによると「大学卒業レベル~社会人中級レベル」とされています。なのですが、「社会人◯年目だから大丈夫だろう」という気持ちで臨むものではない…と感じました。
ちなみに1級は「社会人上級レベル」とされていますが、このレベルになると知らない言葉、普段の生活ではあまり耳にしないような言葉、漢字検定1級レベルの漢字が出てきます。
日本語検定のWebページには、「検定問題に挑戦!」というミニテストもありますので興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
③『日本語検定 公式過去問題集 2級』(東京書籍)
私が購入したものは令和6年度版。前年度2回分の過去問題が収録されています。どのような問題が出るのか、傾向として確かめるために2回分解いてみましたが、正答率は9割ほど。表記や漢字の問題は、漢字検定の勉強のおかげもあってそれなりにスラスラ解けますが、語彙や言葉の意味となると知識量の多寡が物をいう世界になりがち。漢字検定準1級でも「共通の漢字」に苦戦しがちなことを考えると、私の場合、やはり言葉の抽斗を増やしたり、スムーズに開けられるようにしたりすることが課題点のようです。
それから、日本語検定の場合、6つの領域は同じでも、出題される問題の形式が回によって違うということもあるようです。なので、いろいろな形式の問題に慣れておくというのも必要なことだと痛感しました。
3.勉強法
◆①のテキストを一通り読む
まずは①のテキストを通読。通勤中に電車の中で読んでいましたが、日本語について知る読み物として、日本語検定の勉強とは関係なくおもしろいものでした。「敬語」はずっと「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3区分だと思っていましたが、今では「尊敬語」「謙譲語Ⅰ」「謙譲語Ⅱ」「丁寧語」「美化語」とさらに細かく分かれていることも、恥ずかしながら初めて知りました。
また、「語彙」や「言葉の意味」では、いろいろな言い回しや意味を間違えやすい言葉の例示もあり、「へぇ、こんな言葉もあるのか…」「この言葉よく聞くけど、もともとは誤用なのか…」と新たな気づきもありました。
いつまでも、「呉下の阿蒙」じゃいられない。
ちなみにこの本を読んだことで、文章やメールを書くときに「この敬語の使い方に間違いはないか」「この言い回しは失礼にならないか」ということを、前にも増して意識するようになりました。それでも完璧な文章ではないのですが…。
◆②の練習問題を解く
練習問題は、間違ったところにチェックをして、解答や解説を読み込みました。この段階では練習。いろいろな問題形式に触れるいい機会でした。
◆③の過去問題を解く
過去問題は2回分やりました。一周で終わってしまったのですが、どちらも9割くらいの得点でした。
ただ、総合得点が高くても領域別に見たときに一つでも得点率が5割を切れば不合格。どうやら「語彙」や「言葉の意味」に弱点があるようでした。ここをなんとか潰さないといけなそうです。
◆①のテキストで語彙力強化
通勤の電車の中で、テキストに集録されていた諺や熟語、間違いやすい言葉を読んでは頭に叩き込みます。故事は割と、その光景をイメージするて覚えやすかったです。
こんな勉強をだいたい2か月やったでしょうか。受検は急な思いつきだったので、あまり覚えていません。
試験当日の記事はまた別に書きます。
(2024/10/04)