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恋愛不適合者

正直彼氏ができたら幸せに生きられると思っていた。
こんな自分を好きだと思ってくれている人がいて、その人のそばにいられるだけで割と満足できるんじゃないかと思っていたが、全然そんなことなかった。

周りのカップルたちはしばらく恋人がいない自分に自慢げに言った、恋人と言うものはいいものだと、満足感が得られるし人間としても成長、安定できると。

そんなことなくて草、と言うのが約一年ぶりに彼氏ができた私の感想である。

まず定期的にあうために雰囲気の良い店を見つけなくてはいけない。
かわいいグラスの居酒屋であったり、少し見栄えのする料理を出す店であったり。
それを旅行などでもしなくてはいけないとなると本格的に参ってしまう。

そして他の人との人間関係にも気を遣わなくてはいけない。
なぜ私が今まで必死に作り上げ大切に守ってきた人間関係を一人の人のために蔑ろにしなくてはいけないのだ。
予定を入れていた他の男性との飲みも事情を話しちゃんと断った。ほぼドタキャンだったのにもかかわらずおめでとう、と言ってくれる人でとても優しかった。
まだ、恋人ができたと言うことを伝えなくてはいけない人はいるが正直伝えられる自信はないし、付き合い始めてから時が経つにつれて別に良いんじゃないかとまで思うようになった。

恋人関係を続ける面倒臭さがメリットを圧倒的に上回っている。
適当に色んな人と飲みに行きたいし、別に毎回良いところにご飯に行かなくてもいいし、別に手すら繋がなくていい。

申し訳ないが、もしかしたら好きではないのかもしれない。好きではないのに自分の心の安定を求めて付き合ってしまったのかもしれない。そんなつもり微塵もなかったのだけれど。

私はただ、君と今までのようにちょっとおいしいご飯をたまに食べに行く、そんな仲でよかったのだ。

毎回思う、付き合わなければよかったと。
そのままのちょうどいいぬるま湯みたいな温度感の関係のままでよかったと。

一人に尽くす覚悟もない私に恋愛不適合者なんて言葉は贅沢なのかもしれない。


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