キャンプの朝、車中で思う。
人に疲れていたみたい、と気づいたのは、フリーランスになってからだった。
オフィスよりもうんと小さい。それでもすがすがしいくらいに開放的な六畳の自室で、キーボードを打つ。工事の音や、近くの道路を車が走る音や、風がごうごう鳴る音のなかに、タイピングの乾いた音がちんまり響く。
身内のほかに、人の声はない。
それが心地良かった。
仕事はビジネス用のマッチングサイトでとる。面接やオンライン会議のない事務・ライティング案件に絞った。たとえオンラインであっても、顔と顔が見える状態で人