紺乃未色(こんのみいろ)

■エブリスタ主催「妄コン」(優秀作品×5)・パピプペポ川柳/短歌(入選)■フリー台本サイト「キャラコエ」運営中(https://koe-daihon.com/

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マガジン

  • 【全三十話】私にヨガの先生はできません!【完結済み】

    全30話。

  • エッセイ

    考えたこと、感じたことを、思うままに。

  • 140字小説-30選-

    140字小説をまとめています。ひとまず30選! 01.クラスメイト 02.幸運サプリ 03.特効薬 04.暗証番号 05.妖精伝説 06.笑顔 07.調整 08.モモ 09.忠告 10.届かない 11.原因 12.フラグなんて 13.健康 14.UFO伝説 15.愛情 16.いつかサンタさんが 17.能力 18.痛々しいのは 19.受け身 20.友達 21.わかってない 22.鶏肉 23.守っているだけなんだ 24.効率重視

  • 創作活動の記録

    小説の創作やコンテストについて書いています。

  • つぶやき

    ふと思いついたこと。

最近の記事

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私にヨガの先生はできません!【第一話】無理です!

【あらすじ】  前屈をする。  わかっていたけどやっぱり痛い!  太ももの裏側はびりびりするし、ふくらはぎの後ろも、無理やりピンと引っ張られている感じ。皮膚の繊維が、ぷちん、ぷちんと音を立てて千切れるんじゃないかと思った。  全身の毛穴から滲むイヤな汗も、これじゃ涙だ。 「うう」  街のほてりがようやく冷めつつある九月の土曜日。まだ温かさの残る閉店後のホットヨガスタジオで、私はうめく。  両足を揃えて立ち、頭のてっぺんを床に近づけるようにして、上半身を前に倒した状態。指先は

    • キャンプの朝、車中で思う。

      人に疲れていたみたい、と気づいたのは、フリーランスになってからだった。 オフィスよりもうんと小さい。それでもすがすがしいくらいに開放的な六畳の自室で、キーボードを打つ。工事の音や、近くの道路を車が走る音や、風がごうごう鳴る音のなかに、タイピングの乾いた音がちんまり響く。 身内のほかに、人の声はない。 それが心地良かった。 仕事はビジネス用のマッチングサイトでとる。面接やオンライン会議のない事務・ライティング案件に絞った。たとえオンラインであっても、顔と顔が見える状態で人

      • 24.効率重視

        男がAIロボットに命令した。 「この地区に巨大公園を作る。住民には立ち退きを依頼せねばならん。君達に完成まで全て任せるよ。期間は2ヶ月。効率的に頼む」 二日後。そのエリアの人は全員が殺害された。 男が怒鳴る。 「説明しろ!」 AIは男に銃を向けた。 「話す時間はありません。効率重視ですから」

        • 23.守っているだけなんだ

          ごめんね。 もう僕は「君を守る」という使命を遂げられないや。 ううん、諦めてやるものか。 目の前には体格の良い大男が一人。 絶対に負けないぞ! 「おい、なぜこんなことをした? つきまとい、覗き、他にも色々あるが……」男が尋ねてくる。 「だからさっきから言ってるじゃないか。僕はただ彼女を……」

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        私にヨガの先生はできません!【第一話】無理です!

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        • 【全三十話】私にヨガの先生はできません!【完結済み】
          30本
        • エッセイ
          2本
        • 140字小説-30選-
          24本
        • 創作活動の記録
          10本
        • つぶやき
          3本

        記事

          創作大賞2024は落ちたけど、創作活動はおわらない。

          創作大賞2024、中間突破された方、おめでとうございます(∩´∀`)∩ わたしは通過ならずでした。 カナシイ……。 人間だもの。どうしてもネガティブな感情が顔を出してしまう。 一方で、素敵な作品や人との出会いもあり、参加してよかったとあらためて思いました。(noteさん、ありがとうございます) さて、これ以上、創作大賞2024の選考には進めませんが、私の創作活動は続いていくわけで。 新たなネタを考えたり、原稿を書きはじめたりと、以前と変わらぬ日々です。 このようなタ

          創作大賞2024は落ちたけど、創作活動はおわらない。

          22.鶏肉

          私の名前はトメ。職業は神隠しの調査人。 好物は鶏肉!ただ最近は不足しているらしいと村人が噂していた。 家に帰ると母が言った。 「夕食は鶏肉のスープよ」 どこから肉を手に入れているんだろう。 ある日、珍しく夜中に起きた私はケラケラ笑う血まみれの母に遭遇した。 手には包丁。そこですべてを悟った。

          21.わかってない

          結婚相談所に100万払った。 これで俺は美人で献身的な年下の女とめでたくゴールインってわけだ。 実家のことも色々と任せよう。きっと母さんも喜ぶだろう。 だが、一向に先へと進まない。 お断り?そんなことがあるのか?俺は金を払ったぞ。 なに?そういうものだと? わかった。ならば200万支払おう。

          20.友達

          山の北側には恐ろしい獣がいるらしい。 僕達は怖いもの見たさで山を越えた。 そこにいたのは同い年くらいの子たち。 「南から来たんだ。この辺には危険な獣がいるって聞いたけど平気?」 「俺達は南側に残酷な獣がいると聞いたぞ」 僕らは首をかしげ、すぐに一緒に遊びだした。 どこまでも無邪気な顔をして。

          19.受け身

          「自発的に動けるスタッフを求めてるの。だから自ら手を上げてくれる人しか、このビジネスチームに入れないのよ」姉が言った。 たしかに、受け身はよくないって偉い誰かも言っていたっけ。 それから五年。 事業はまだ始まらない。彼女はただ人がくるのを待っている。やりがいや魅力を伝えようともせずに。

          18.痛々しいのは

          「Aさんの承認欲求、見てて痛々しい」 SNSに投稿すると瞬く間にコメントがつく。同じように思っている人が多いのね! 嬉しくなってさらに投稿する。 「もっと年齢考えた方がいいよね」 また通知がなる。今日はいいねが674、リプが79。私ってやっぱり人気者。さて、明日は誰のことを書こうかしら。

          チャレンジ精神を試されているようなこの頃。 自信をなくしそうになるたび、創作大賞2024に応募中の「私にヨガの先生はできません!」を思い浮かべる。 過去の私や似た状況の方に届けたい、という気持ちで書いたはずが、未来の自分を励ますことになり驚き。 うん、できることからやってみよう。

          チャレンジ精神を試されているようなこの頃。 自信をなくしそうになるたび、創作大賞2024に応募中の「私にヨガの先生はできません!」を思い浮かべる。 過去の私や似た状況の方に届けたい、という気持ちで書いたはずが、未来の自分を励ますことになり驚き。 うん、できることからやってみよう。

          17.能力

          僕は空を飛べる。 だけど、誰にも言ってない。 子どもの風船が木にひっかかっても、誰かの帽子が風にさらわれても、羽を隠したままでいる。 そうすれば、周囲から指をさされず平穏な日々を送れるから。 今も、友人の大切な小鳥が逃げてしまった。 ……彼の涙を初めてみた。 僕は、そこでやっと覚悟を決めた。

          16.いつかサンタさんが

          クリスマスの朝、娘のはしゃぐ声がする。 きっとプレゼントを開封して喜んでいるんだ。 私もそろそろ起きよう。 「ん?」 枕元には折紙の花。 「ママ!おはよう」 娘は元気よく笑う。 「これリカが置いてくれた?」 「うん!いつかママのとこにもきたらいいね、サンタさん」 私は心の中で呟いた。 「もうきたよ」

          15.愛情

          彼はあたしを殴ってくるの。彼はあたしを引っかいてくるの。彼はあたしを罵ってくるの。 でもね、大丈夫よ。彼、「これは、ぜーんぶ愛なんだ」って言ってたから。きっと不器用なのね。 最近の悩み、それはあたしが受け取ってばかりだってこと。そろそろちゃんと返さなきゃ。とびっきりの大きな愛情をね。

          創作大賞2024の振り返り。書いている人を好きになる、お祭りようなコンテスト。

          創作大賞2024の読者選考期間がおわり、2週間ほどが経ちました。 せっかくなので、振り返りのようなものを残しておこうと思います。 ■創作大賞2024に応募したきっかけお仕事ジャンルの小説を書きながら「コンテストに応募してみようかな~」と考えていたタイミングに、たまたま見つけたのがきっかけです。 「noteも小説系のコンテストを開催してるんだ~」、と思いながら概要に目を通していると……。 「お仕事小説部門」があるとの情報を発見! すでに、noteのアカウントを持っていたこ

          創作大賞2024の振り返り。書いている人を好きになる、お祭りようなコンテスト。

          14.UFO伝説

          この町はUFO伝説で有名だ。 ひとめ見ようと人が訪れたおかげで経済難から抜け出したらしい。 その夜は嵐だった。 ずぶぬれでUFOを探していると公民館に辿り着いた。 夜中なのに明かりがついている。まるで密会だ。 声が聞こえる。 「では、ドローン班、SNS班、来週も頼んだぞ」 僕はすべてを悟った。