気にしすぎな女の子の話
明日バイト行くのやだなあ〜
前の日の夜から、次の日の4時間のバイトのことを考えている。
こうやって仕事するんだよな。この前これ注意されたから気をつけよう。脳内でバイトをしている自分を想像をする。
気にしすぎな女の子は、失敗をすることが怖い。
バイトのあの先輩は私のことどう思ってるんだろう。最近よく話すけど、嫌われてないかなあ。店長は私のことよく働くやつだと思ってるだろうか。あんまり頑張ってないと思われてるかな。
気にしすぎな女の子は、まわりから自分がどう思われているかが気になる。
なかなか眠れない夜を過ごし、お昼に起きる。
母が準備してくれた朝ごはんと昼ごはんを一緒に食べる。
ゲームをしたり、テレビを見たりしながら、バイトの時間を気にしている。
今日は、何時に家を出て、バイトに行こうか。
バイト先には、制服に着替えたり休憩したりする小さい事務所があるのだが、まわりの人にすごく気を使う。だから、早く行きすぎても息苦しいし、遅刻もしたくない。
ということで、絶妙な時間を考え、4時32分に家を出ると決める。
4時から準備できるように、携帯のタイマーをセットする。タイマーの音楽は、ヨルシカの「雨とカプチーノ」。
バイト嫌だなあと考えながら、YouTubeを見たり、ゲームをしたりする。たまに時計をチェックする。タイマーが鳴らないかもしれないから。
4時。灰色に白んだ〜♪と音楽が流れる。無事にタイマーが機能したことに安堵する。
髪を結ぶ。水筒を入れる。忘れ物はないかと鞄の中身を何度か確認して、自転車に乗る。あ、自転車の空気入れたほうがいいな。時間に余裕はあるけど、もしかしたら転けたり道が混んでたりして遅れる可能性があるから、空気は明日入れよう。明日はもっと早めにタイマーセットしないとな。。
自転車に乗る。バス停の前を通ったら知り合いに会うかもしれなくて嫌だから、違う道で行こう。 この道、たばこの匂いがする、嫌だなあ。
バイト先に着く。ちょっと早めに着いてしまった。
駐車場から入り、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたドアを開けて、事務所へ続く階段を登る。このドアちょっと重いんだよなあ。最初は、「関係者」であることを誇らしく思って、わくわくしながらそのドアを開けていたけれど、もう慣れてしまった。ただ重くて、嫌なドア。
事務所に入る。まわりの人に気を遣いながら、制服に着替える。ここからバイトが始まる。
....
バイトが終わり、ドアを開けて駐車場に出る。
ちょっと重いそのドアは、来たときより、軽く感じるのだった。
※ちょっぴりフィクション
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