なりたいものが無かった私の1人語り
私には、なりたいと思うような人や物事が本当に長い間ありませんでした。
あなたの「なりたいもの」は何ですか?
今の教育は少し違うのかもしれませんが、私が学生の頃は必ずと言っていいほど聞かれました。
私が始めて聞かれたのは幼稚園の頃だったと思います。
周りの子たちは、ケーキ屋さんやお花屋さん消防士や幼稚園の先生などそれぞれが思う「なりたいもの」を答えていました。
私は周りの答えを聞きながら内心焦っていました。
みんな何で「なりたいもの」がわかるの?!
子供ながらに答えられないのは良くないと感じていましたので、私は適当にお花屋さんと答えました。
ほんの少しもなりたいと思っていないのに…
あなたは「なりたいもの」はありましたか?
小学校に入ればもっと具体的に「将来の夢は?」と聞かれます。
小学校時代の6年間は福祉の仕事に就きたいと答えていました。
福祉の仕事をしたいと思っていたのは嘘ではありません。
人の役に立てることであれば福祉でなくても良かったのですが、その頃の私は「福祉=人の役に立てる」と思い込んでいたんです。
堂々と職業を答えられるというのは、その頃の私にとって、とても安心できることだったのは確かです。
良く考えると「将来の夢」と「将来着きたい仕事」は違うのですが、学校では同じ事として問われますよね。
未だに不思議だなと思っています(笑)
さて、私は中学生になり人の悪意を数ヶ月で様々な形で体験し人に心を傾ける仕事の魅力を一気に失います。
その後20年以上「なりたいもの」の答えを失うこととなりました。
「なりたいもの」がなかった私は当然「やりたいこと」もないのです。
進学先を決める時点から既に路頭に迷い始めます。
ちょうど就職氷河期世代で職業を選択することもままならない時期でした。
ひたすら「できる気がする」仕事をしていました。
職歴は短期も含めて業界違いで10の業種を渡り歩きました。
履歴書にまとめますと我ながら酷い紙面に仕上がります(笑)
自分の中では「できる気がする」という共通項がありますが、それを正直に答えると面接で落とされることは予想がつきます。
私は適当に転職の理由を作って話しておりました。
ハッタリも堂々と話せばそれなりに説得力が増すものです!
今、転職歴が多いと悩まれている方はあまり気にされませんよう。
多くの職業を経験することは身を助ける事も多いものです。
私は今、積み上げた転職歴が私を助けてくれているのを良く知っています。
多くの知識と経験がちょっとずつでも私に花を添えてくれているのは確実です。
私にとっては転職は合っていたのでしょう。
もちろん、長く一所で働く事を否定しているわけではありません。
これは良い悪いが無い話です。
あなたに合っていればそれが全てです。
話が逸れましたね。
そんなこんなで転職歴を重ねて分かったことは
1.自由さが無い職場は私を苦しめること。
2.日本の8時間労働(拘束時間は9時間)が私には長すぎると言うこと。
ヒプノセラピストになる前の私は職場環境に自由が無く疲れ切っていました。
自分を癒さなければこの先どんな仕事もできないと思うくらいに疲れていたんです。
「なりたいこと」も「やりたいこと」も私には無い。
その事実も疲れに拍車をかけていました。
休まなければどうしようも無いくらい。
そんな自分を癒す手段の一つが、たまたまヒプノセラピーだっただけなのですが、私にとってそれがある意味で全てでした。
ヒプノセラピーを1ミリも知らなかった私が、3ヶ月後には学ぶために東京通いをしているのですから。
私は「なりたいもの」「やりたいこと」に出会うまで38年かかっています。
我ながら中々の時間だと思っています。
今42歳。
あと20年続けたらちょっとは極められるかな?などと大それた事を思ったりもしています。
今になって思うと、私は私以外に「なりたいもの」なんて無かったんです。
未だに「生まれ変わったら誰になりたい?」と言う問いに魅力を感じません。
私は私でいたい。
私は「やりたいこと」が見つかるまで時間が必要でした。
今、あなたに少しでも「やりたいこと」があるならやってみて欲しいと思っています。
それが一気に全てでなくても少しでも行動してみて欲しいのです。
本当に小さくてもいい行動です。
「やりたいこと」に出会う確率って思っているよりもずっと少ないと思います。
路頭に迷っていた私からすると、すでに出会っているあなたはとてもラッキーだと思うから。
「やりたいこと」と「できること」は違うから無理なんて言いますが。
どちらか一方に決める時代でもありません。
「できること」をしながら「やりたいこと」をしたっていいじゃありませんか?
「どちかにしなければ」なんてそれを選んでいるのはあなたです。
どっちもOKだし、どちらかでもOKです。
あなたは自由に選んでいいのです。
あなたの生き方はあなたが主人公なのですから。
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もし自由に選ぶのが怖いと思うならそれは別の問題です。
その理由や答えはあなた自身が持っています。