就労センターあっぷ施設長 城崎高治さんインタビュー【第2回】障がい者支援施設が地域とつくる「お互い様の関係」
第1回「この指とまれ」やりたい人が中心になってみんなでサポートする体制
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ここに来る前に、道の駅に寄ったんですけど、すごくいい場所にひとはの製品がたくさんありました。地域で売れるっていうところがうれしいですよね。
▶道の駅 三矢の里 あきたかた
広島県安芸高田市に2020年5月にオープンしたばかりの道の駅。就労センターあっぷから車で15分ほどの場所にある。
https://mitsuyanosato.com/
城崎さん
3番のりばの商品に関しても、地域とのつながりの中で、商品を置いてくれないかって声がかかったんですよ。その他の商品も、地域とのつながりをものすごく大切に考えて取り組んできています。民間の企業さんもそうですけど、地域に住まう人とか、行政も含めて、とにかく足しげくこちらから出かけていくと、逆に声をかけてもらえるようになりますね。
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3番のりばの商品も、もともと、別のところで地域とのつながりがたくさんできていたから…
城崎さん
本当にそうです。二宮がインスタでどんどん輪を広げてくれて。その中で、うちの食堂に野菜を入れてくれる人が、3番のりばの高伏さんの描いたネコのブローチを気に入ってくれていて、「こんないいものつくってもらったんだ」っていう声がたまたま観光協会の人まで届いて…。
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すごい!
城崎さん
アートブローチがすごくいいよねって。じゃあ、安芸高田市の文化でもある神楽のブローチもつくってもらえたらいいよね、っていうので声がかかって。
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あ、高伏さんが照れてる。(笑)
城崎さん
高伏さんの力があったから。
高伏さん
(照れながら)ありがとう。
城崎さん
インスタを通じて県外のお店とつながってきた中で、一番の地元である安芸高田市の道の駅にも販売の場所ができて…どんどん広がってくれて、うれしい悲鳴ではあるんですけど、追いつかんです。(笑)
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うれしい悲鳴ですね。(笑)
城崎さん
行く度に「主力の製品です」っておっしゃっていただけるので、ありがたいですね。
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実際行ってみて、すごくいいところに置いてあって、応援されとるんだなって思いました。
城崎さん
本当に、すごく応援して下さっているんですよ。「押しですから」ってはっきり言ってくださる。
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それはうれしいですね。地域のものを、というところでは、助けられるだけじゃなくて、助け合える関係をという話をしてらしゃいましたよね。これは、ひとはの考えなんですか?
城崎さん
はい。地域との協働っていうのを理事長はずっと言われていて。「福祉」自体が助けられるイメージはあるかもしれんけど、福祉でできる町づくりは絶対あるはずじゃってずっとおっしゃられていて。
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福祉でできる町づくり。
城崎さん
障がいのある人たちが当たり前に生活できるようになるには、お互い様の関係を築いていくことが大切だよねって。だから、僕ら自身は地域の人とつながって、地域の人から「こんなことがあってのう」とか「こういうことに困っとって、こういうものがあるとすごい助かるんだ」っていう声に耳を傾けて、僕らが行動で返していけば、変わるじゃないですか。
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はい。
城崎さん
地域の人が、「障がいのある人たちって助けるだけかと思ってたらそうじゃないよね。ひとはさんに言ったらなんか逆にやってくれるよね。」って思ってくれたらうれしいですね。
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そうですよね。
城崎さん
それは、製品を通じてのものであったりとか、色んな形でも、とにかくやっていけば。例えば、今、あっぷの「食品製造」で作っているもち麦のドーナツも「うちで、もち麦を作り出したんだけど、あっぷさんのところで何かならんかね」って話がきたのがきっかけなんです。
「アグリサポートひとは」の苗箱洗浄の仕事も、苗箱の回収に行くと地域の農家さんに「本当に助かるんよ」って言ってもらえるんですよね。「よぉ来たのう」ってみんなにジュース配ってくれたり。(笑)なかには、ひとはじゃけ協力しちゃろうって人もいるとは思うんですけど、本当に助かるんだっていう人が多いから、もう10年近く続いているんだと思います。
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10年!地域の人が本当に助かっているから続いているんですね。
第3回 地域にとっての社会資源でありたい につづく