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3番のりば支援員 二宮由香理さんインタビュー【第2回】あっぷでアート活動をスタート

第1回ひとはに入ったきっかけ
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ひとはに入って最初は、養鶏場でかごを洗う仕事をしてらして、次は何をされたんですか?

二宮さん
えぇと、私、7月1日に入って、その年度が終わるのと同時に養鶏場の仕事が終わったんですよ。そのあと、山から降りて、牡蠣の養殖のための貝打ちの仕事になりました。最初は、空き家を借りて1年ぐらい。2年目に今、3番のりばがあるところに移りました。5,6年くらいかな?

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へぇー!何がきっかけで、アートをやるようになったんですか?

二宮さん
なんかね、もともと雑貨が好きで…話、すごい長くなるかもしれん。(笑)

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ぜひ、お願いします。あ、時間いいですか?

二宮さん
あ、全然。いいです。えーと、その…養鶏場の仕事のときは、ひとはの中の別の事業所に所属していたんです。で、貝打ちの仕事が始まったときにあっぷに異動になったんですね。当時のあっぷの施設長が、バリバリのかっこいい女性の方で、アートもお好きで…何かのタイミングでビデオを見せて下さったんです。その内容が鞆の津ミュージアムだったんですよ。

▶鞆の津ミュージアム
広島県福山市鞆の浦で築150年の蔵を改装し、2012年に開館。アール・ブリュットと呼ばれる超個人的発想から生まれた不思議な表現の芸術を展示している。
https://abtm.jp/

二宮さん
私はもうすごい衝撃を受けて。こんなかっこいいものが福祉にあるんだって!

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うんうん。

二宮さん
もうね、それを見て「絶対ここ行ってみたい!」と思ったんですよ。そこから、福祉にアートの世界があるんだって知りました。もとからあったんでしょうけど、それまでは知る機会がなかった。

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なかなか、ないですよね。

二宮さん
かっこいいアートの商品とか、「アール・ブリュット」や「アウトサイダー」と呼ばれるジャンルを知ったのは鞆の津の、あのビデオが最初でしたね。福山市にあるクシノテラスの櫛野さんがまだ鞆の津ミュージアムにいらしたか…は、覚えてないんですけど、ビデオがきっかけで、とにかく櫛野さんともSNSでつながれて、福祉の雑貨の本を紹介してくれたんです。

▶クシノテラス
日本唯一のアウトサイダー・キュレーター櫛野展正が広島県福山市につくったアートスペース。
http://kushiterra.com/
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福祉の雑貨の本が売ってるんですか?

二宮さん
タイトルは…「こんなにかわいい雑貨本」だったかな?福祉施設のものに特化したものがあるんですよー。

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あ、前働いていたひゅーるぽんにあったかもしれない。ひゅーるぽんも載ってて…。

スライド40

福祉施設発!こんなにかわいい雑貨本―スローでゆかいなものづくりの魅力満載!! 著者:伊藤 幸子、 太田 明日香 出版社:西日本出版社

二宮さん
多分それだと思います。それを買って、全国の福祉施設でつくられた商品のカタログみたいな本を見て、「全部かわいい!斬新!すごいかわいい!」って。今までわたしが雑貨屋さんで見ていたものより、こっちの方が断然好きだと思ったんですよ。ちょっと変わってて、おもしろいなぁと思って。それで、私は仕事とは全く関係なく、プライベートでいいなと思うところを片っ端から電話したりメール送ったりとかして…

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へー!

二宮さん
仕入れられるものは仕入れて、マルシェみたいなイベントに、テント立てて、自分で看板書いて、販売するっていうのを趣味でやってたんですね。

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趣味で、出店して、全部自分でやって…すごいですね!熱意?なんですかね?すごい!!

二宮さん
いやいや…でも、なんかおもしろい!やりたい!って…なんていうのかな?ガッてなったんですよ。で、そういうことをやってるうちに「なんで私はひとはにいるのに、他の施設のものを仕入れて売っているのかなー?」って。(笑)ひとは工房では、窯もあって、陶芸や押し花をしてはいたんですけど、あっぷは食品を作ったり、農業に関わる仕事をしていて、アートないなぁって思ったのがきっかけ…なんですよね。

ひとは福祉会には「ひとは作業所」、「ひとは工房」、今回取材させていただいている「就労センターあっぷ」等それぞれ独立した事業所があり、活動する場所も異なります。)

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へー!!

二宮さん
それで、施設長の城崎に相談したんです。そのときは、みんなで絵が描ける時間があればいいな、くらいに思っていて、その先のことは何も考えてなかったんですけど。それで、当時の直属の上司に、企画書とか起案書とか、必要な書類の書き方も教えてもらいながら。

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うんうん。

二宮さん
当時は、何か新しいことをするのに起案書を書いて、全体会議の場でプレゼンして、みんなの合意をいただいて、更に上にあげてなんて…その、仕組みすらも知らなかった。(笑)でも、みなさんに助けてもらいながら、やっとアートができる場がつくれたというか。

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へー。

スライド23

二宮さん
もともと仲間(利用者さん)の何人かは、絵を描くのは好きなんだろうなって感じはあって。

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あ、そうなんですね。

二宮さん
紙の端っこに絵を描いたりしていたから、何人かは参加してくれるだろうなとは思ってたんです。でも、今まで絵なんてあんまり描いたこともない、上手に描けないっていう人もいたけど「そんなの関係ないよ、上手下手も関係ないし、自由にいいんだよ」って声をかけながら、おそるおそる始めた人もおるし。それこそ、先生が上手に寄り添ってくれるから、描いてみて「楽しい!」ってなって、毎回参加してくれて…徐々に広がった感じかな。

(あっぷでは毎月2回、地元の絵画の先生が来て一緒に活動されています)

第3回 チーム3番のりばの商品づくり(最終回)につづく


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