魅力を伸ばして活かすtomoni art後編|社会福祉法人ともに福祉会支援員 石川則子さんインタビュー
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tomoni artの商品についても少しお話しを聞かせていただけないでしょうか。
石川
作品が色々できてきて、やっぱり何か形にできたらいいねということになり、最初はポストカードやカレンダー等を自分達で作っていました。
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当初から商品化に取り組まれていたんですね。
石川
自分達のできる範囲で、素人仕事ですけどね。感性豊かな若い職員が、作品を生かして一筆箋やカードを作ってくれたりして、それはそれで素朴でとてもかわいかったんですよ。
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見てみたいなぁ。
石川
試行錯誤しているうちに、2011年にブランディングの支援をしたいという方が現れて、そうしてできたのが、ともに福祉会のアートグッズブランド「tomoni art」です。その方は、その道をもっと究めたいということで留学に行かれて…入れ替わるようにして出会ったのが曽根岡薫さんです
illustrated by Yuji Abe
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ご縁が紡がれていったんですね。
石川
ありがたいですね。
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カレンダーについてもお話しを聞かせていただけませんか?
石川
曽根岡さんには普段から作品を見ていただいていて、カレンダーになりそうなものをその都度スキャンしてもらっています。それを元にひと月ごとに3, 4枚ラフ案をご用意いただいて、その中から理事長はじめ職員4, 5人で選ばせてもらっています。
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どんな風に選ばれるんですか?
石川
カレンダーなので季節感はもちろんですが、全体を見たときに強い作品が続くよりは、柔らかい雰囲気のものも織り交ぜながら…3回ぐらい会議をして一度決まった!となっても「やっぱり1月はこっちがいい」となったりして。(笑)1つ変わると全体が変わってくるので、またイチから選び直したり。
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おぉ!
石川
カレンダーには入れられないけど、どうしても使いたい作品はポストカードにしたりね。
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たくさんの作品の中から曽根岡さんがラフ案を作り、職員さんたちで議論を重ねて、やっと形になったカレンダーなんですね。
石川
そうですね。
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わたしも個人的にtomoni artのカレンダーは愛用していて、毎月、SNSでご紹介させていただいているんです。そうすると「かわいいですね!」とか「取り扱い予定はありますか?」とか、フォロワーの方からリアクションをいただくことがけっこう多くて。やっぱりtomoni artのカレンダーは、かわいいですよね。そして、なんというか…そこにお金も時間も、ちゃんとかけていますよね。
石川
そうですね。できるだけみんなの絵が活きる形で発信したいと思っているので。
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絵を商品化することに対して、皆さん前向きにとらえていらっしゃるんですね。
石川
商品化という点で難しい作品を描いていらっしゃる方もいるのですが、その方々たちの作品も端っこの方でもいいからとにかく世の中に出ていけるようにと思っています。今回はカレンダーの台にプリントが施されているんですけど、初めて作品を取り上げられて、作者本人はかなりうれしかったというか、自信をつけることができたようです。
2022年カレンダーの台紙 作品にご注目ください!
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商品にするということは、売ることに向かうわけで、そうなると売れる作風とか、作家さんが限られてきてしまうけど、それだけじゃないですもんね。
石川
今まさに、商品化はちょっと難しいけれど魅力がある作家さん5人の展示をしているんです。商品とは別の形で伝えていけたらいいかなと思っています。
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商品化という波に乗らない方々の作品も、違った形で発信できる場を作られているんですね。
過去の展示会の様子
石川
最近は、大きな布に色々描いて、それを、ちょっと申し訳ないんですけど、切って、ワンピースやバッグに挑戦しているところなんですよ。そういうこともやっていけたらいいかな。こちら側が工夫をしていく、というか。
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素敵ですね。
石川
ありがとうございます。ただ、絵の具がのることで生地がゴワゴワしちゃってあまり日常的ではないんですよ。(笑)来年の展示会でお見せできればと思っています。
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創作活動をメインでやっていらっしゃる事業所さんではないのに、すごい!
石川
結構バタバタします。(笑)
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ふふふ。(笑)
石川
メインではないけれども、もともとの皆さんの魅力があって、良さを伸ばしてくれる臼井先生がいて、それを活かす曽根岡さんがいて…いいバランスでやらせてもらっています。
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すごくいいバランスですよね。たまたまつながったご縁で…すごいです。
石川
みんなが引き寄せてくれたんだと思います。
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あぁ、なるほど。それは納得です。
石川
それこそ佐々木さんがみんなのブローチに引き寄せられたように。
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確かに、引き寄せられちゃいました。(笑)これから皆さんがどんな人を引き寄せてくれるのか楽しみですね。
石川
そうですね。そのためにも私たちは、みんなが元気で活動を続けられる環境を作っていかなくちゃいけないなって思いますし、作業は作業でやるんだけれども、より自分らしさを発信できるような取り組みをやっていかなきゃいけないなぁと思いますね。
石川則子さん illustrated by Yuji Abe
石川さんより
「障がいのある方との関りは約30年になりました。それまでは、まったく関係のない仕事でしたので、みんなとの出会いが私の人生を豊かにしてくれたと思います。」
-おわり-
(2021年10月下旬オンライン取材)
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