第6回(最終回)一緒に、豊かに生きて行きたい|就労継続支援B型事業所ぽんぽん所長 鰐川華衣さんインタビュー
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すみません、今更ですが、これは聞いておかなくちゃ!と思っていたことがあるんです。
鰐川
はい。
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初めてぽんぽんに来た人に「どんな人が来ていますか?」って聞かれたら、どう答えていますか?
鰐川
そうですね…障がいのある18歳以上の方で、ぽんぽんは「本人が来たいと思っている人に来てもらっています」といつも言っています。
家族の人が通わせたいと思って下さるのも、学校の先生がここいいよって言って下さるのも、もちろん嬉しいんだけど、本人がぽんぽんがいい、ぽんぽんに来たいって思って、通ってくれるのが一番大切なことだと思っています。
だから、絶対に本人にも見学に来てもらうし、体験もしてもらう。そこを一番大事にしていますね。
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本人の意思を大切にしているんですね。あと「ぽんぽんではどんなことをしていますか?」
鰐川
活動の中で働くことを大事にしています。本人たちができることや、好きなことを活かして、働くことにつなげていきたいと思って仕事をしています。
下請けの作業でも、本人たちができることの延長線上にあったり、本人たちができるようになったらいいなと思うことを探してきて、仕事にしていますね。
アイロンがけの仕事
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仕事もがんばりつつ、余暇も大事にしているのがぽんぽんかなあと勝手に思っているのですが…。
鰐川
仕事だけ頑張っていれば豊かと言われたら、そうでもない。それは私たちも同じですよね。余暇の充実があって、仕事も頑張れる。仕事が頑張れるから、余暇も充実する。
でも障害のある人って自分で選んで何かをするっていうことは、とても難しい面もあります。環境的に難しかったり、情報として知らなかったり、経験がなくて選べなかったり。
そういうところをサポートする意味でも、色々経験を積む場を仕事以外にも待てるように工夫ができたらなと思っています。
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人生の選択肢を増やすための、活動内容の充実なんですね。
2019年に行った大分への一泊二日旅行
鰐川
単純に仕事をこなして、給料をもらうっていう生活だけじゃなくて、もらった給料をどう使うか、給料を使って次の何か楽しいことにつなげられるか、そこまで見据えて活動を組み立てていますね。
お金の価値がわかりにくい人たちは、仕事を通して色んな人と関わることで、心に刺激を受けるような体験を積むことが、きっと豊かな生き方につながるんじゃないかと思っています。
仕事と、そうじゃない部分との総和が、豊かな生き方につながると考えていて、ぽんぽんに来ている人たちには豊かな生き方をしてほしい思いながら支援をしています。
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わたしも働いていて感じていましたが、ぽんぽんってみんなの職場でもあるけど、みんなの人生が本当にトータルで豊かになるように支援する場所として運営されていますよね。
鰐川
「職場」って考えると、来て仕事をして給料を払って終わりなんだけど、それだけの関係性じゃないところで…やっぱり、一緒に豊かに生きていきたいっていう思いがあるので。
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はい。
鰐川
スタッフも勉強させてもらったり、一緒に楽しませてもらうこともたくさんありますしね。私たちスタッフも、彼らと出会ったことで人生が広がりました。
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彼らから自分が豊かになるきっかけをたくさんもらいますよね。また働きたくなっちゃったな。(笑)
鰐川
ふふふ。大変な時もあるけど。でもやっぱり、やっぱりね、ぽんぽんのみんながいい人達なんだと思います。
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ぽんぽんのみんなのこと知ってもらいたいですね。
鰐川
たくさんの人にみんなの魅力を知って欲しい。で、会いに来て欲しいなって。今はね、ちょっと難しい時期だけど、出会える機会があったら。こんなに人が来ることを喜ぶ人たちだから、色んな出会いをして欲しいなってすごく思います。
-おわり-
(2020年6月下旬 取材)
konkon
障害のある"人の魅力"を伝えるために①障害福祉サービスの商品販売、②作品展企画、③常富芳香さんマネジメント等広島を拠点に行っています。
ひとりでも多くの方に「こんこん」と気軽にノックしてもらえますように。
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