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第5回ひでくんとぽっちゃんが積み重ねてきたもの|就労継続支援B型事業所ぽんぽん所長 鰐川華衣さんインタビュー

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ぽんぽんの穏やかな雰囲気があって、ひゅーるぽんの安心感があって…だから、古志英隆(こし ひでたか)さん(以下、ひでくん)や上村福銖(うえむら ふくしゅ)さん(以下、ぽっちゃん)みたいな温かい作品が生まれるんだなぁって思いました。

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「ひでくん」こと古志英隆さん

鰐川
ひでくんは、上手い。技術的に本当に上手いんだけど、私が初めてひでくんの作品を見たときは電車とか車とか、無機質な、硬いものばっかり描いていましたね。

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1日で描き上げたDAIHATSU HIJET

ひでくんがね、スタッフが飼っている犬のカイくんとか、ぽんぽんでお世話していた猫のトラミちゃんやスバルくんに愛情を示し出したときに、作品がガラッと変わったんです。

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ガラッと。

鰐川
彼らを描くときもすごく上手に描くけど、目がね、違うなって。目にこだわって描くのもあるけど、表情や目がね、ぜんぜん違うんですよね。

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スタッフが飼っているネコの「リンちゃん」(トラミちゃんの娘)

名前があって、会ったことがあって、触ったことがあって…そういう子達に対しての愛情を作品から感じます。だから、やっぱり彼らは気持ちで描いてるんだなって思いを強くしたのはそのときかな。

「頼まれたオーダーよ」って言ったら描いてくれるけど、自分から描くものを選ぶときって、心が動かないと選ばないので。こっちがいくら薦めてもダメなときは絶対ダメなんで。(笑)

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そうですね。(笑)

鰐川
その頃から、ひでくん自身も変わってきたのかなあぁ。ぽっちゃんも、家で描く絵とぽんぽんで描く絵は全然違うし。

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「ぽっちゃん」こと上村福銖さん(手に持っているのはご自身の似顔絵)

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どんな風にちがうんですか?

鰐川
自粛期間中に、家に様子を見に行かせてもらたんだけど、大きな画用紙に車に人が乗ってる絵を何枚も何枚も描いていて。車の色も乗ってる人も作品毎に違うけど、構造は全部一緒。

少し見せてもらったら、描きかけのものがたくさんあったので、その時にヒットしたのを選んで、色塗ったりするんだろうなって感じがありました。ぽんぽんでは一個一個仕上げるので、あ、こういう描き方もするんだってちょっと発見でしたね。

あとは、ぽんぽんでも落書き帳に描く、ちょっとストーリーがあるのを家でいっぱい描いているみたい。

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ちょっと残酷なストーリーとかありますよね。

鰐川
そうそう。「え、悲しい~!」っていうようなね。

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上村福銖さん 初期作品

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すごく怒られていたり。

鰐川
お仕置きされて、しょぼーんってなったりとかね。ものが壊れたり、ガラスが割れたりとかね。(笑)

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ふふふ。

鰐川
ぽっちゃんもやっぱり変わったなーと。昔は絵の具も全然使えなくって、クーピーやマジックばっかりだったけど、絵の具が使えたら幅が広がるだろうなあと思って、絵の具使ってみようよって言って。

最初は、筆の動かし方から。細いところは細い筆で、面積が大きいところは太い筆で、描きたいものによって筆を変えることも伝えていきました。

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上村福銖さん 初期作品

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ここでもゼロから。(笑)今の活躍を見ていると想像できないですね。筆を変えることから、学んでいったんですねぇ。

鰐川
道具は持っていても、使ったことがなかったんだと思います。最初は水で薄めなくてもいい、そのまま使える絵の具を使っていたかな。

ぽっちゃんのすごいところは、白と赤でピンクができるとか、色を作ることはよく理解できて。独特のオリジナルブレンドするぐらい。(笑)

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昔、ぽっちゃんはどんな感じの絵を描いていたんですか?

鰐川
画用紙の端っこから出ているひょっこり猫みたいな。あんな感じのをクーピー描いてたかな?

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今は大作を描いているイメージがあるので意外ですね。



小さな絵をたくさん描いていましたね。でもやっぱり絵の具とか使い始めると、大きい方が描きやすかったりもするし、大きくても画面が埋めやすいというか、時間もかからないしね。

最初に大きい絵を描こうかってなった時は、結構チャレンジだなぁと思ったけど。ぜんぜん心配することなかった。(笑)

イーゼルを立てて描くのも、距離感があって結構難しかったりするんだけど、全然関係なく、自分のペースであの人は描いていくので。すごいなって。

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今は”アーティスト”として活躍していますけど、ちょっとずつちょっとずつ、積み重ねてきたんですね。

鰐川
やったことがないから使わないんじゃなくて、最終的にどの画材を使うか自分で選べたらいいなと私は思っていて。色んな種類の筆や絵の具を使ってみたり、焼きごてで木に焼き付けてみたり。色々やってみて、最終的に自分がどれを使いたいかって決められたらいいかな。

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今は、決められていますね。

鰐川
全部自分で決められますね。描く土台もね、画用紙にするか段ボールにするか、マット紙を抜いたものにするか。「どれにするー?」って出したら全部自分で決めるから。ひでくんも、段ボールにはまるときもあるし、画用紙にはまるときもあるし。そうやって自分が描きたいものと、画材が選べれば一番いいなぁと思って。うまくそれができるようになってくれました。

スライド15

「ねこ」上村福銖

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konkon
障害のある"人の魅力"を伝えるために①障害福祉サービスの商品販売、②作品展企画、③常富芳香さんマネジメント等広島を拠点に行っています。
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