あなたへ

やめてよも
死なないでも
そんなこといわないでも

届かない
きっと届かない

死を覚悟した相手に
止める側が有利なことなんて一切ない。

感情とは、言葉とは、
時に人を救い
時に人を窮地まで追い詰める。

怖いよ

わたしは、あなたを止めるのが怖い。

止めたい。
止めたくない。

わたしにあなたの選択権を奪う権利はない。

死にたいなら死んだらいい。

それで楽になれるなら。
それしか、方法がないなら。

わたしは言わないよ。

あなたのことを教えて
なんでそんな事言うの？

言わない。

あなたが教えたいと、
知ってほしいと思ってくれるまで。

わたしは、知りたいけど知らないままでいる。

待つよ。
待てるよ。

だからさ、ちょっと踏みとどまってさ。

近くのおいしいごはんやさん行こうよ。

何も考えずにさ、

沈黙が続いてもいい。
くだらない話をしてもいい。
誰かの悪口だっていいよ。

ちょっとだけ命のことをさ、
ちょっとだけ忘れてくれれば、それでいい。

あなたは自分のことを
必要ない存在だと思ってるかもしれない。

でもね、わたしは確かに
あなたの存在に言葉に声に救われてるんだよ。

そんなこと、伝えたってきっと届かないから。

わたしはなにも言わない。

隣にいてよ。

いつもじゃなくていいから、
気が向いた時にさ。