
AI 活用が合格への近道!NotebookLM で始める「ノート × チャット」新感覚学習
NotebookLM は、Google が開発した、Gemini 搭載の革新的な AI ノートツールです。アップロードした資料を基に情報を分析・整理し、チャットにも対応。「自分専用の AI パートナー」として活躍してくれます。
では、NotebookLM を学習に使うとどんなメリットがあるのか?
まず大きいのは、複数の教材やテキストの要点を自動でまとめてくれることです。たとえば PDF 資料とスライドが混在している場合でも、NotebookLM はすべてをまとめて読み、必要に応じてポイントを抽出してくれます。これにより、自分で資料をめくりながら「どの情報が重要なんだろう?」と探す手間が一気に省けます。
また、NotebookLM は参照したソースをしっかり示してくれるので、あいまいな記憶や二次情報に頼るリスクが少ないのも嬉しいところ。自分のアップロード資料に基づいて回答してくれるため、誤情報に振り回される可能性が格段に下がります。資格試験や受験勉強など、正確性が求められる場面ではとくに心強いです。
さらに最近では、音声概要(Audio Overviews)が追加され、移動中や家事をしながらでも要約内容やキーワードを耳で受け取ることが可能になりました。時間が限られた忙しい日々のなかでも、NotebookLM が効率よく学習をサポートしてくれるというわけです。
NotebookLM は、これからの学習スタイルを大きく変えるツールとして注目されています。是非ご一読いただき、学習や試験対策に役立ててください。
NotebookLM の基本的な機能や使い方については、こちらの記事をご覧ください↓
NotebookLM の基本機能を学習で活用する方法
NotebookLM を使って学習や試験対策を効率化するうえで、押さえておきたいのが「ソース(教材)のアップロード方法」と「AI チャット機能・自動生成機能をどう活かすか」という点です。ここでは、具体的な操作イメージや効果的な使い方を簡単にご紹介します。
1. ソースのアップロードと管理
1-1. 学習教材の取り込み
NotebookLM には、PDF や YouTube 動画、Googleドキュメントなど形式を問わずに管理できるので、複数の教材をアップすると良いでしょう。学習内容ごとにノートブックを分けると、後から整理しやすくなります。

例えば、「ITパスポート試験 令和6年度」の問題と解答の PDF をアップロードすると、次のようにノートブックが作成されます:

1-2. ファイル上限と大事なポイント
アップロードできるファイルには文字数や容量に上限があります。大きい PDF を一度に読み込もうとすると時間がかかる場合もあるので、章ごとに分割したり、不要なページを削除したりなど工夫するとスムーズです。また、ノートブック単位で学習テーマを整理しておくと便利です。
ソースファイルごとの上限
最大文字数: 500,000 語
最大ファイルサイズ: 200 MB
つまり、ファイルサイズが 200 MB 以内であっても、文字数が 500,000 語を超えている場合はアップロードできません。逆に、文字数が 500,000 語以内でも、ファイルサイズが 200 MB を超えている場合はアップロードできません。
ノートブックの上限
作成可能なノートブック数: 100 個(Plus: 500 個)
ノートブックあたりのソース数: 50 個(Plus: 300 個)
NotebookLM Plus にアップグレードすると上限が増加します。通常の個人利用では無料プランで十分ではないかと思います。
2. AI チャット機能で理解を深める
2-1. 疑問点を即解決する「チャット形式の QA」
NotebookLM の最大の強みは、アップロードした資料を参照してのチャット機能です。例えば、「資料の第 3 章に書かれている重要ポイントをまとめて」と質問すると、該当部分を瞬時に検索して回答を提示してくれます。目次やページを行き来する手間を省けるので、効率的に学習を進められます。

2-2. 用語解説や背景説明も頼れる
わからない単語や概念が出てきたとき、「詳しく解説して」「初心者にもわかるように説明して」といった指示を入れると、NotebookLM が複数の資料を横断して総合的な解説を返してくれます。関連用語や参考資料も合わせて提示されるので、すばやく深い理解が得られます。

2-3. 引用元のチェックで正確性アップ
チャットの回答には、アップロード資料のどの部分を参照しているかの番号付きリンクが記されています。勉強した内容の正確性を検証するのは学習の基本なので、こまめに引用元を確認する習慣をつけておくと安心です。
ソースの参照を確認する方法は 2 つ。番号付きリンクをマウスオーバーするとウィンドウで表示され、クリックすると、ソースパネルでハイライト表示されます。


3. 自動生成メモ機能
NotebookLM には、効率的に学習を進めるための自動生成メモ機能が充実しています。

3-1. 学習ガイド
資料に基づいて重要ポイントをまとめたり、理解度チェックのための質問リストを生成したりできます。短期間で要点を押さえたい試験前などに便利です。


3-2. ブリーフィング・ドキュメント
複数のソースをまとめて分析し、大筋だけを抜き出してくれます。複数の分厚い教材がある場合、ざっくり全体像をつかむのに最適です。


3-3. よくある質問
ノートブックの内容から想定 Q&A 集を自動生成してくれます。暗記カード的にも使えます。

3-4. タイムライン
歴史や法改正など、時系列に沿った学習が必要なときはタイムラインを用いてポイントを抽出できます。暗記作業や流れの把握に便利です。


メモ機能については、こちらの記事でより詳しく紹介しています↓
4. 音声概要(Audio Overviews)
音声概要(Audio Overviews)は、NotebookLM が資料をまとめた内容を音声で聞かせてくれます。2 人の AI ホストがソースに基づく「深掘り型の活発なディスカッション」を展開します。


4-1. 音声で聞ける概要のメリット
音声概要を使えば、手がふさがっているときでも学習を進められるので、通学・通勤時や作業の合間などの隙間時間に最適です。会話はダウンロード可能で、外出先などオフライン環境で聴くこともできます。
4-2. インタラクティブなやり取りも可能に
音声概要のポッドキャストを聞きながら、その場で「それはどういう意味?」のように声で尋ねることもできます。NotebookLM が追加解説を音声で返してくれるため、より自然な学習体験を得られます。
執筆時点(2025年1月24日)では、音声概要(Audio Overviews)の多言語対応と NotebookLM スマホアプリはまだなので、できることが限定的です。しかし、それらはリリース間近とのことなので、期待して待ちましょう。音声概要については、それらの発表の後、別記事で詳しく書きます。
学習・試験対策・資格取得に役立つ具体的ケーススタディ
NotebookLM は、様々な学習に活用できます。ここでは、語学試験や大学受験、資格試験など、それぞれのケースで具体的に NotebookLM をどう使いこなせるかを見ていきましょう。
1. 語学試験(TOEIC・英検など)
1-1. 過去問 PDF × 学習ガイドで弱点克服
TOEIC の過去問 PDF や英検の参考書データなどを NotebookLM にまとめてアップロード。そこから直接「頻出単語を抽出して」「重要慣用句を教えて」とチャットで依頼すれば、語彙リストや文法要点を瞬時に整理できます。
学習ガイド機能を使えば、一歩踏み込んだ模擬質問も自動生成してくれるので、効率良く暗記や演習を進められます。
1-2. まとめドキュメントで要点&音声概要で耳学習
試験直前には、複数のファイルをまとめてブリーフィング・ドキュメントを作成し、単語やフレーズをざっと復習しましょう。
通勤や通学の移動時間には、音声概要ポッドキャストを使ってキーフレーズを耳でチェック。隙間時間でも語学学習を加速させられます。
2. 大学受験・資格試験(公務員試験・IT 系資格・簿記など)
2-1. 過去問分析&弱点ジャンルの抽出
公務員試験の過去問集や IT 資格の参考書 PDF をアップロード。NotebookLM に「過去問の出題分野ごとの頻度を教えて」「苦手分野を洗い出してほしい」などと質問すれば、要点や頻出トピックを自動で抽出してくれます。
弱点を把握したら、チャットや学習ガイドの生成機能で集中的に対策を行うのが効果的です。
NotebookLM に自身の苦手分野を理解させるには、試験結果や解答一覧を含む資料をアップロードする必要があります。
模試や過去問を解いた結果がわかる表・採点表、あるいは正解・不正解や得点などを入力したドキュメントやスプレッドシートを NotebookLM にまとめてアップロードします。
形式は PDF でも Google ドキュメントでも良いですが、「どの問題に正解・不正解だったか」を NotebookLM が読み取れるように表形式か箇条書きで整理しておくとベターです。
2-2. タイムラインで年表・改正点を一目で整理
行政法や税法など、改正が多く複雑になりがちな資格試験では、NotebookLM のタイムライン機能が活躍します。改正点を時系列にそって整理してもらうと理解が深まり、記憶に定着しやすくなります。
さらに、音声概要を併用して要点を何度も聞き流すことで、勉強時間を有効活用できます。
3. 論文作成・研究活動
3-1. マルチ文献のレビューと要約
学術論文や学会発表資料をまとめて NotebookLM にアップロードすることで、効率的に先行研究のレビューが可能です。
「この分野で特に重要な論文は?」「各論文の手法と結論をリストアップして」などのチャット指示で、引用元を明確に示しながらまとめてくれるため、参考文献の精査が捗ります。
3-2. まとめドキュメントで瞬時にリサーチの全体像を把握
調べたいテーマに関連する複数の文献やデータを一括でアップして、ブリーフィング・ドキュメントを作成する、もしくはチャットで「主要な研究成果をコンパクトにまとめて」と依頼すれば、詳細でわかりやすい要約を得られます。
そこからさらに深堀りしたい部分を指定してチャットを行えば、論文執筆や研究プレゼンのスケジュールを大幅に短縮できます。
4. 社内研修・ビジネス資格
4-1. NotebookLM でチーム学習
社内研修用のマニュアルやビジネス資格の教材を NotebookLM にアップロードすれば、チーム内でノートを共有しながら学習が進められます。分担してまとめた資料を共通の知識ベースとして扱えるため、新人研修や資格取得支援の効率が格段に上がります。
「ノートブック全体ではなくチャット機能のみ共有したい」「チャットの応答スタイルなどをカスタマイズしたい」という場合は、NotebookLM Plus へのアップグレードを検討してみてください。
4-2. オリジナル FAQ・社内用マニュアルの作成
社内マニュアルや資格試験の資料をアップして、メモ機能の「よくある質問」や「ブリーフィング・ドキュメント」を使用して、テーマ別 Q&A 集や簡易マニュアルを自動作成できます。日常業務でも便利に使え、学習者それぞれが同じ情報をもとにスキルアップできます。
NotebookLM を使いこなすためのポイントと注意事項
NotebookLM を学習や試験対策にフル活用するためには、日頃から情報の正確性を意識しつつ、自分の学習目的に合ったカスタマイズを行うことが大切です。ここでは、NotebookLM を利用する上で押さえておきたいポイントや注意点をまとめました。
1. 資料の整理と命名ルール
1-1. ノートブックのテーマ分け
学習分野ごとにノートブックを作成し、資料を分けてアップロードしておくと、あとで検索・引用がしやすくなります。
例:科目別(英語・数学・公務員試験の一般知識など)、資格別、年度別
1-2. ファイルのタイトルやタグ付け
NotebookLM 上でもファイルを認識しやすいよう、アップロード時のファイル名を工夫しましょう。特に過去問を年別や科目別に整理しておくと、弱点分析や検索の際に便利です。
1-3. 重複情報のチェック
同じテーマの資料を何度もアップロードすると、NotebookLM の検索精度が下がる場合があります。定期的にノートブックの内容を見直し、古いバージョンのファイルなどは整理すると良いでしょう。
2. 引用元・ソースの確認方法
2-1. 回答のリンク先や箇所を必ずチェック
NotebookLM の回答の引用元をこまめに確認し、実際に自分の学習資料と合っているかを確かめる習慣が大切です。ノートブック内のどのファイルのどの部分を参照しているのか、出典情報を追うことで理解が深まります。
2-2. ハルシネーション(誤回答)への対策
大量の資料を参照する性質上、NotebookLM が文脈を誤解して不正確な回答をするケースもゼロではありません。特に計算問題や厳密な法条文などは、自分で確認して整合性をとるようにしましょう。
3. セキュリティ・プライバシーへの配慮
3-1. 企業秘密や個人情報の取り扱い
NotebookLM にアップロードされた資料は、業務上の重要機密が含まれる可能性があります。Google Workspace または Google Workspace for Education のアカウントでログインしている場合でも、アップするファイルの情報管理ポリシーとの整合性を確認してください。
3-2. ライセンスや著作権の確認
資格試験や学術関係のコンテンツは版権がある場合が多く、教材や問題集をアップロードするときは必ずライセンスや著作権に配慮しましょう。公表されていない資料や有料の教材を扱う場合は注意が必要です。
個人が自分の学習のためだけに使う場合でも、クラウド上にアップロードする行為は、私的使用の範囲を完全に保証してくれるわけではないという点に注意が必要です。
4. ノートブックの保守・アップデート
4-1. ファイルや資料の定期的な更新
試験情報や業界動向は年々変化します。NotebookLM にも最新の資料を随時アップすることで、より正確かつ役立つ情報が得られます。特に資格試験関連は改訂が多いのでこまめに更新を心がけましょう。
4-2. バージョン管理の工夫
資格試験用の教材や研究資料は年度・版数が異なるケースがあり、どれが最新か混乱しがちです。ファイル名やメモに「2025年度版」などの記載をつけ、NotebookLM 内で旧版と区別しておくと便利です。
まとめ
NotebookLM は、学習資料を整理・分析し、必要に応じた要約や補足説明を瞬時に提供してくれる、新世代の AI アシスタントです。上手に活用すれば、弱点を可視化し、学習計画を柔軟にアップデートすることが容易になります。ぜひ NotebookLM を活用して学習スタイルを進化させてみてください。
おまけ:AI 活用で驚きの学習効果
以下の投稿は、ナイジェリアのベニンシティにあるエドボーイズハイスクールで実施された、生成 AI を使った学習プログラムの調査結果です:
New randomized, controlled trial of students using GPT-4 as a tutor in Nigeria. 6 weeks of after-school AI tutoring = 2 years of typical learning gains, outperforming 80% of other educational interventions.
— Ethan Mollick (@emollick) January 15, 2025
And it helped all students, especially girls who were initially behind pic.twitter.com/abE1JMUBEs
プログラムに参加した生徒は、英語、AI 知識、デジタルスキルの全ての分野で、非参加の生徒よりも大幅に優れた成績を収めたとのことです。わずか 6 週間で通常の学習の約 2 年分に相当する学習効果を得られたというのは驚きです。
これからは、AI を学習に取り入れる人とそうしない人とでは、そのくらい差がついてしまうということです。どんどん AI に触れ、リテラシーを身につけ、積極的に学習に活用することをお勧めします。
この記事は、構成などの一部に OpenAI o1 を補助的に使用しています。
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