芸術
新緑の5月。
先立って卒業していった友人から
譲り受けた原付に股がり
岡山市から南下。
岡山県玉野市宇野港。
そこからフェリーに乗り
向かったのは
現代アートで有名な島「直島」でした。
一度サークルの旅行で
来たことがあったのですが
今回は一人旅、
そして前回はいけなかった美術館などを
訪れ、芸術鑑賞をしようと
やって来ました。
まずはBenesseハウスミュージアム。
安藤忠雄のコンクリート建築、無機質な建物に
現代アートが国内外の作家を問わずに
展示されています。
ブルース・ナウマン氏の「100回生きて死ね」や
杉本博司氏の「タイムエクスポージト」と
いった見応えのある作品から
須田悦弘氏の「雑草」といった
気づかずに通りすぎてしまうような
隠れた作品までも楽しむことができます。
そして
またも、安藤忠雄建築の美術館、
「地中美術館」に向かいました。
その名の通り、山をくりぬかれて
地中に作られた美術館。
来館する日の天候などによる、
太陽光が作品の印象を変えていきます。
その日は五月雨がしとしと
降注いでいました。
地中の庭、雨滴が池の水を打つ横を通りすぎ
館内に入りました。
壁が斜めに傾き、天井が吹き抜けの廊下や
これまた天井が吹き抜けの三角形の庭などの
ただ通りすぎるのが惜しいような館内を
歩き、
「ウォルター・デ・マリア」の
「タイム/タイムレス/ノータイム」という
作品が展示されている部屋へ。
入り口から階段が置くまで続いており、
真ん中には大きくて黒い石の球、
周りには金の木彫の柱が飾られていました。
教会のような何か神聖な空気感を
漂わせていました。
そして次は「ジェームズ・タレル」の部屋。
「オープンフィールド」という作品は
是非実地で鑑賞して欲しい作品です。
驚き、「ここはどこなのだ。」
文面だけでは難解でしょう(笑)
部屋のなかなのに
果てしなく空間が拡がっているような感覚。
感激しました。
そして「オープンスペース」。
四角い部屋の天井が吹き抜けになっています。
切り抜かれた空が動く絵画のように
なっており、椅子に座って
時が流れるのを忘れて雲の流れを
眺めていました。
最後は「クロード・モネ」の部屋。
19世紀後半から20世紀前半の
フランス、印象派の画家として
日本でも有名ですよね。
太陽光のみを
柔らかく取り入れた真っ白の部屋で
モネの連作「睡蓮」、
晩年の作品を五点鑑賞することができます。
室内で滴が落ちてくることはないのですが、
曇天の薄暗い中で観る、
モネの作品はまるで雨に濡れているよう。
瞳を通した情報は心まで染み込んで、
五感で鑑賞しているようで、
瞑想のなかにいるような錯覚に陥りました。
何時間でもいれるような部屋。
現代アートの聖地、直島は
この後も幾度と訪れることになりますが
天候によって作品はある姿を変えますし、
心情によって写る姿も変えていきます。
何度訪れても発見があり、飽きない場所です。
美術館を堪能した私は
汗を流しに島唯一の銭湯へ。
ここも現代アートを取り入れた
風変わりな銭湯。
そこで一人旅ならではの
出逢いがあったのでした。
合掌
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?