2025年は大阪に芋煮会を広めたい。
大阪に芋煮会を広めたい。
クリスマス。ハロウィン。
一般的に寒い季節になると思い浮かぶ大きなイベント。世間ではそんなところだ。
でもそんなのは邪道。
僕は芋煮会。
東北にある風習だそう。
これにハマってしまった。
昔、栃木で福祉の事業所に働いていたとき。
理事長:「今日は芋煮会だな!」
僕:「芋煮会?なんですか?」
理事長:「芋を大きな鍋で煮て食うんだよ!」
僕:「はあ…」
なんだそれ。
芋を煮て食う。
なんとも地味な会だ。
正直ぜんぜんテンション上がらない。
それでも、周りは「おい!大きな鍋どこやったー!?」などと大騒ぎでウキウキして準備している。
寒空の下、わざわざ外にみんな出る。
大きな鍋をどかっとおく。
そこに里芋にネギ、こんにゃく、しめじ、そして牛肉を入れてだし、しょうゆなど味付けしていく。
鍋から湯気が立ち、美味そうな匂いが立ち込めてくる。
僕:「なんか、豚汁みたいですね」
理事長:「豚汁じゃねえよ!芋煮だよ!」
怒られた。
芋煮たる、ちゃんとこだわりがあるらしい。
「よし、食べるか!」とゴーサインが出る。
各々、器に芋煮が注がれる。いただきます!と食べる。
ぱっと衝撃が走った。
くー!美味い!冷えた身体に染みる。
胃の中から暖まっていく感覚。
みんなで鍋を囲みもくもくと食べる。
なんだか自分たちがどこかの部族みたいに思えて、ちょっと笑ってしまう。
食べ終わった頃には身体はポカポカして心地よい。
心も満たされるのを感じる。
素朴ながら信じられないくらい清々しい。
そんな充足感があった。
それからというもの毎年。
僕:「今日、芋煮会ですね!」
理事長:「だな!」
一番テンションMAXな自分がいた。
大阪に帰ってきてからも、それが忘れられない。
冬になると必ず芋煮会をする。
プレゼント交換も、仮装もしない。
芋を煮てそれを食う。
地味で、何のギミックもない。
芋を煮て食べる。
それ以上でもそれ以下でもない。
凝りに凝った演出。
目新しいもので取り繕うこと。
そんなものに疲れていないか。
豪華なパーティー。
カラフルで洗練された装飾の数々。
そんなものより湯気の立ち込める鍋と醤油と出汁の香りだけでいい。
「うめえ!」「あちっ!」とか言いながら同じ味を楽しむ。生きてる実感をみんなで共有する。
結局、人が求めてるのはそういうところだ。
芋煮会にはエンタメに毒されてない純粋な「いま、ここ」の喜びがある。
大阪でもそれを流行らせたい。
たこ焼きよりも芋煮だ。
2025年は芋煮会を大阪で広める男になりたい。