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ナレーション回顧録:MUSIC SOUP 45rpm #14 カヒミ・カリィ編

「MUSIC SOUP 45rpm」のために書いたナレーション。
そのアーティスト紹介とエンディングの原稿を再現。
今回はカヒミ・カリィ編。
収録場所は2014年に閉店してしまった古民家エスニックカフェ「弦巻茶屋」(東京都世田谷区桜新町)。
放送は2010年6月。
その2年後、彼女は家族でニューヨークへ移住。
収録に連れていらした可愛いBABYも今は中学生くらいかな?


番組オープニング

BGM「Cross Road Blues」by Robert Johnson

音楽は時に人生を左右し、運命を翻弄するもの。
例えば、音楽のために悪魔と取引をしたという
伝説のブルーズマン、ロバート・ジョンソン。
彼がレコード盤に遺したわずかな音楽は、
あらゆるポピュラーミュージックの原点となった。
わがままな耳を持つMUSIC MASTERたちが、
自分だけの音楽体験をとっておきの45曲に託して語る
栄養満点な音楽番組 MUSIC SOUP - 45rpm -
さぁ、冷めないうちに Bon Appetit.


アーティスト紹介

MUSIC SOUP。
今回のゲストは、カヒミ・カリィ。
 
音楽も言葉も、あたりの空気さえも、
ささやくような魔法の杖のひとふりで、
自分の色に染め上げてしまう
MUSIC MASTER。
 
母となり、
新しい命と暮らし始めた彼女は、
そのクールでおだやかな表情の中に
あふれるほどの音楽を抱きしめている。
 
そんな、カヒミカリィが選ぶ45曲とは?


カヒミ・カリィが選んだ45曲の最後の1曲

Linda Perhacs「Chimacum Rain」


エンディング

NICK DRAKEの儚い弾き語り。
LINDA PERHACSのうつろな浮遊感。
70年代のアシッドフォークが
音楽の森に住む精霊たちを呼び覚ます。

都会の雑踏、
草木のざわめき、
古民家を吹き抜ける風、
子供の泣き声、笑い声。
すべては地球のささやきだ。

やがて愛する家族の寝息さえもが
ひと房の音楽となってからだを包み込む。
それは精霊たちが歌う祝福のラブソング。

カヒミ・カリィ自身もまた
そんな森の住人の一人なのかもしれない。



all photos by komurock@桜新町

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