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グッバイ ルサンチマン
劇団サラリーマンチュウニをご存知でしょうか。
①サラリーマンの表現活動を応援する
②食えない役者を少しでも減らす
この2点をコンセプトに掲げるサラリーマン主体の劇団です。
父に誘われて昨年2月の『富士見町の朝日荘』という短編を観たのが始まり。富士山が良く見える朝日荘という訳あり物件アパートの一室で起こる6つの物語。6作品全て脚本家が異なっていて、それぞれ似た話じゃないところが良かった。
2009年の旗揚げから間も無く10年ということで、今年は10周年記念公演!そんな『グッバイ ルサンチマン』を2月24日(日)に観に行きました。
ルサンチマンとは、強者に対して「怒り」「憎しみ」「憎悪」「非難」などの感情を持つことである。
吉崎透はアンチリア充の作家である。なぜか突然、女性が押しかけてきて、奇妙な同棲生活が始まる。彼女との満ち足りた時間が、吉崎のクリエイティビティを奪い去ってしまった。一方、近所の玉の湯は、売上の減少傾向が続いていて、存続の危機に晒されていた。吉崎は再び、書くことが出来るのか、玉の湯は存続出来るのか?サラリーマンチュウニ、10年の集大成。悩める現代人に送る、笑えて泣けるハートフルコメディー。
(公式HPより)
約100分の群像劇。
アンチリア充の毒舌っぷりが話題の作家・吉崎。そんな彼の元に現れた女の子。ひょんなことから一緒に暮らすうちに吉崎はリア充に対しての憎しみを忘れ、純愛ものの作品が書きたくなる、という流れがすでに今っぽくって面白い。
そう、現代らしさがこれでもか!という程に詰まった作品。あらゆる要素を詰め込みすぎじゃないの?っていうくらいに。
クドカン作品が好きなひとは、劇団サラリーマンチュウニもハマるかもしれないです。今回の脚本・演出は主催の鈴木雄一さん。
鈴木さんの今回の舞台についての挨拶文が素敵でした。
「自分とは何者か」「クリエイティビティーの源泉は何か」「ローカルコミュニティーの存続条件とは何か」「承認欲求とはどう付き合えば良いのか」。文章にするとかた苦しくなってしまいますが、突き詰めれば、どうすれば自分が居る場所でご機嫌に過ごすことが出来るのかということになると思います。
ね、詰め込みすぎでしょう?笑
すっかり女の子に魅了されていく吉崎。けれど吉崎と一緒に暮らし始める女の子は、実はYoutuberなんですよね。
「アンチリア充作家と一緒に暮らしてみた」
「アンチリア充作家ファン男性の仲を壊してみた」
彼女は彼女で一度バズった後でなかなか伸びない再生回数に悩み、こんなことをやらかしてしまう訳です。自分を見失い、承認欲求も満たせない。
こういうひと、現代に多いんじゃないかな。
「バズる」の対義語は「炎上」だって言うけど、実際どちらもあんまり変わらないよね?というのもちょっと分かる。
別の家族の話で、ヨーガという怪しい宗教?にハマる母親のことを疎ましく思う息子と、アニメばかり見ている息子を心配する母親、という構図もあった。
これは姉が「どちらもお互いのハマっているもののことをよく知らないんじゃないか」と考えて、アニメ鑑賞会に母を引っ張って行き、弟をヨーガの教室に引っ張って行って解決させるのだけど、これも日常生活によくある話だよね。
人間関係でもなんでも「知る」っていうのがまず大事。知って、初めてそのこと(もの)について考えられる気がする。知るところから始めなくちゃ。
年1〜2回の公演の他、ワークショップの開催や企業・団体とのコラボなども行なっている劇団です。一緒に運営していく仲間も随時募集中とのこと。
気になる方は一度お調べくださいな。
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