LaTeXでシナリオ同人誌:jsbookの設定とヘッダの編集
~前回までのあらすじ~
自分の精神的ハードルを下げることに成功したので、ちょっとは真面目に書こうと思います。
ドキュメントクラス選び
とりあえず有名どころから引っ張ってきたら一番間違いないはず。
ということで、おなじみ奥村先生のものをお借りします。
article(論文とか)系、book(書籍や長文)系、report(レポート)系の3種類があります。今回作成するのは、印刷・製本予定のないPDFなのでjsarticleでもいいかなと思うのですが、chapterも使えるしで素直にjsbookを選択。章=シナリオとして、セクションは個々のシナリオ内で使う単位に設定しましょう。
ドキュメントクラス自作も一瞬脳裏にちらついたのですが、地獄を見るぞと私の第六感が告げるのでやめておきます。LaTeXさんの心のやわっこい部分に触れるには、あまりに色々足りてないです。必要な分だけスタイルファイルから上書きしていけば十分すぎるほど十分なはずです……。
オプションとパッケージの設定
PDFビューアで縦スクロールで読むことを想定して、基本文字サイズ10pt、A5サイズ、段組みなしとします。あわよくば見開き表示でも格好いい感じにしたいです。
というわけで、こう。
\documentclass[10pt,a5paper,openany,papersize]{jsbook}
%\usepackage[utf8]{inputenc}
\usepackage{mybook}
\usepackage{insdata}
\title{ここにタイトル}
\author{ここに作者名}
\begin{document}
\maketitle
~(中略)~
\end{document}
jsbookのオプション
10pt/a5paper:基本文字サイズ10pt、A5サイズを指定している
openary:これがないと、章が必ず右ページから始まるように設定されているので白紙ページができてしまう(あとで消すかもしれない)
papersize:組版寸法とPDF外形寸法を一致させるオプション
inputencパッケージ(コメントアウトした)
なんか欧文でもUTF-8が使えるようになる呪文。デフォルトで新規ファイルに書いてあったので一応残したものの、最新版LaTeXは既定の入力文字コードがUTF-8になってるらしいので、コメントアウトしても問題ないはず……?
(そういえば、あんまよくわかんないけどupLaTeXじゃなくてpLaTeXを使っています)
特殊文字とか使わないからたぶん大丈夫なんじゃないかな。
mybookパッケージ
自作のパッケージ。文書スタイルの変更点などはここに書くことにします。まだ白紙。
insdataパッケージ
自作のパッケージ。インセイン特有のデータ表示に際してマクロを組む時はここに書くことにします。もちろんまだ白紙。
このまま適当に文章を入れてPDF出力し、見開き表示するとこうなります。
jsbookだと、デフォルトでページ番号が上に来るみたいです。偶数ページに章タイトル、奇数ページのヘッダにセクション名を併せて表示。
そのままでもなかなか格好いい! ただ、個々のセクションはそんなに長くならないのと、1ページずつスクロールする場合もあるのとで、奇数ページのヘッダにも章タイトル(ここではシナリオタイトル)が表示されるようにしたいです。
マージン設定は、適切なマージンのサイズがピンときていないので後でいじることにします。
文書のヘッダの表示内容を編集
奥村先生のFAQページに「ページ番号をページ下中央に振る」方法が解説されているので、これを応用すればいけそうです。
\defを使うのがちょっと不安ですが、早速mybook.styの中に書いていきます。
Githubのjsbook.clsの中の、偶数ページのヘッダが書いてあるっぽい記述をコピーして……\thepageがページ番号、\leftmarkが左(偶数)ページに表示されるあれこれでしょうから、こう適当に順番入れ替えて……
\def\ps@headings{
\def\@oddhead{ %奇数ページのヘッダ
\underline{\hbox to \fullwidth{\autoxspacing
\leftmark\hfil\textbf{\thepage}}}
}
}
\pagestyle{headings}
奇数ページのヘッダの記述にドン!!!
できました!!!
やたら勢いがいいのはあまりよく分かってないからですが、よく分かってなくてもなんとかなりました。
「第○章」の表記も後でどうにか消したいですね。chapter*{}の番号なし章を使えば「第○章」の部分も消えるのですが、目次から章の存在ごと消されてしまうようです。
まとめ
ここまでやった後で気づいたのですが、\pagestyle{myheadings}を使えばもっと簡単にヘッダー情報を編集できたのでは!?