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慣れてくると青春18切符での5時間の移動があっという間に感じられる。



岐阜や静岡で友人らと遊んだあと、青春18切符で奈良の家に帰った。

JRで掛川から奈良までだいたい5時間くらい。だいたい1時間おきに乗り換えがあって、今回は亀岡で20分くらい、乗り継ぎの間の小休止があった。

掛川を拠点に書店のない地域などに本を届ける活動をしていらっしゃる「走る本屋さん 高久書店」で買った森下典子さんの小説、「日日是好日」などを読みながら、時々スマホで連絡をとりあったり、カヌレを食べたり、車窓の景色ー18切符の旅で西に向かうときに夕焼け空を見ると、少し長く綺麗な空の色を楽しめる気がして得した気分になるーなんかを見たりしていると、5時間って意外と早く終ってしまう。


以前出張コーヒー屋さんを一緒にしていたこともある気の置けない友人と、無駄な、意味のない話をしようって言ってpodcastを始めてみた。それから無駄ってなんだろうって時々考える。

電車で静岡から奈良まで5時間かけてゆっくり移動するって聞いたら、やったことがない人が聞いたら、一見無駄な時間の使い方に思えるかもしれない。

最初は節約のために移動手段として使っていた青春18切符。大学のとき、友人と面白半分で京都から17時間かけて1日で仙台まで移動したときはさすがに時間無駄にしてるなーとか、早く終ってほしいと思った瞬間も何回かあった。だけど、卒業して働くことが生活の中心になってから時々使う18切符での移動の時間ってめちゃくちゃ貴重で、新幹線に乗ってこの時間を失ってしまうほうがもったいないとさえ思う。

僕は車での移動とかドライブも好きだけど、電車で移動するときの、「乗ってるだけで目的地への移動っていう目的は達成されているから、あとはどう時間を使ってもいいよね」っていう感覚がすごく好きで。

疲れていたら寝ててもいいし、暇なら読書してもいいし、ぼーっと外の景色を眺めててもいい。ぼーっと景色を眺めるのも、電車が移動してくれているから飽きずにいられる。これが自分の部屋の1階のベランダとかだとあんまりずっとはできない。

今回は、初めて読んだ「日日是好日」がすごくおもしろくて、この本にはたくさんの植物が登場するのだけど、名前からイメージできない花をスマホで調べたりしながら読みすめていたら最終章にさしかかるところで奈良に着いてしまった。

あまのじゃくで、ベストセラーってなぜか敬遠しちゃうところがあるのだけど売れるには理由があって、きっと名作なんだからそういうのもちゃんと読んだ方がいいよなと思えた。お茶の工場がたくさんある掛川で、前にこの本を勧めていた人と一緒に入った書店で偶然この本に出合えたおかげで買おうと思えたんだから、運がよかったのかもしれない。


花の名前にしたって茶道のことだって知らなくても生きていけるけど、知ったら日常が豊かになるし、知らなかった世界にわくわくできる。

無駄な時間って無駄じゃない。だからシンプルに、無駄だって思われていることの魅力を伝えていけたらいいなと思う。

「ゆっくり歩こう」

これからいろんな話をするので、良かったら聞いてみてください。

2年ぶりに更新した、出張コーヒー屋さんのホームページごとシェアしてみます。

http://pilotlightcoffee.com/




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