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【うつ病日記 8】荒波のなかに腰かける

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「綺麗な水を見たい」

久しぶりに私が声に出した、「死にたい」以外の欲求だった。
母は慌てて支度をして、私を車に乗せて埼玉県にある川に向かった。

以下は、私が川の真ん中にある岩に座って書いた文章だ。

入江から落ちてきた波が、速さを増して、反対側から流れてきた波とぶつかり合って、さらに大きな波になった

瞬間
岩に砕かれ二手に分かれる

その中を、落ち葉はなすすべもなく、くるくると
左右上下にまわって、見えなくなった

社会の荒波に揉まれる、とはよくできた表現だ
まさに私は、あの葉っぱのように、流されるままになって、いつのまにか自分自身を見失った

でも今は、川の真ん中にあるこの岩に
どっしりと腰掛け、足を水に浸して
川の流れをただ感じている

流される泡や、葉っぱや、虫の死骸を横目に
私の足はたしかに私のもので
どこにも流されず
ゆらゆらと揺れている


何もできなくなった時に自分の中から出てくる「したい」は本物だと思う。
きっとそれは、私の心の養分だ。

「綺麗な水が見たい」
「写真を撮りたい」
「歌を歌いたい」

私の場合はこんな「したい」が現れた。

これらの「したい」は病気の時も今でも大切にして、定期的に心に栄養を与えている。


あなたの心の養分はなんですか?

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