江戸時代版:ぷっかけうどん豆腐の作り方など。古文書『豆腐百珍』解読③
天明2年(1782)の古文書『豆腐百珍』本編解読第3回目です。
今回はそれほど馴染みがないものでも、割と詳しく調理方法が書かれてあり、比較的具材多めの料理が多いので、食欲のそそるものが続きます。
ぜひお腹を空かせてご覧ください。
番号は前回からの続き(原文通り)になります。
16.金砂豆腐
よく水を切ってしっかり擦り、
卵の白身をつなぎにして板の上に延ばします。
その上にゆで卵の黄身をパラっとかけて
砂子のようによく押さえて蒸します。
最後に小色紙ほどに切りましょう。
17.ぷっかけうどん豆腐
「100 真のうどん豆腐」よりは太く平らに切り
うどん豆腐の煮加減で湯を切って盛ります。
生の煮返し醤油を直にかけ、花がつお・
大根おろし・白ネギのざく切り・
とうがらしの粉を添えます。
これは草のうどん豆腐とも言います。
▲真のうどん豆腐のように切って、奈良茶碗に
入れて茶碗蒸しにして葛あん・おろしワサビを
添えたものを、ちりめん豆腐と言います。
18.しき味噌豆腐
茶碗をよく温めておき、温かいワサビ味噌を
下に敷いてから花がつおを置き、
ほどよい煮加減でおぼろ豆腐を網杓子で
すくって盛ります。
ワサビ味噌は「82 茶豆腐」の下に記載します。
19.ヒリヤウヅ
豆腐水を絞ってよく摺り、葛粉をつなぎに入れ、
かやくに皮ゴボウの針・銀杏・きくらげ・
麻の実(おのみ・苧実)を添えます。
また、サイコロほどの大きさの焼き栗や
クワイが一種類あるとよいでしょう。
かやくを油で炒って、麻の実はあとで入れる
ようにし、豆腐で包んでお好きな大きさにして
油で揚げますが、うどん粉の衣で揚げると
一番よいです。
炒り酒におろしワサビや
白酢にワサビの針を添えたり、または
田楽にして青味噌にケシをふりかけましょう。
ヒレウヅという名を豆腐巻ともいいます。
▲白酢はケシを炒ってよく摺り、豆腐を少し
摺り入れて酢を入れます。甘くしたいときは
太白砂糖を入れましょう。
豆腐の代わりに葛粉を入れてもよいです。
▲青味噌は味噌をよく摺り、
青粉をすり混ぜるとよいでしょう。
【たまむしのあとがき】
随所に、言葉は読めるのですが、それ自体が何なのか、わからないものが結構ありました。
例えば「花がつお」「うどん粉」「太白砂糖」そして「皮ゴボウの針」「ワサビの針」!
「花がつお」は荒節を削った鰹節だそうで、じゃあ、荒節とは何かというと、鰹節の一種だそうです。ですので、「花がつお」というのは、この荒節だけを使った鰹節のことをいうのだそうです。
そして「うどん粉」は国産の小麦粉のこと。
「太白砂糖」は精製した純白の砂糖。
ここまではわかったのですが、問題は「皮ゴボウの針」「ワサビの針」。
「皮ゴボウ」はゴボウの皮のことじゃないの?針って何さ?
ゴボウの針って先っちょのこと?それともヒゲのこと?
ワサビの針って根っこ??
う~~~ん、これはもう限界です。ごめんなさい。
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