見出し画像

孝明天皇の天盃

今回紹介するのは幕末に孝明天皇から賜った天盃についてです。天盃とは天皇から賜った盃のことを言います。

文久三癸亥年二月御上洛 六月三日御暇御参内之節供奉御参内被遊候付御頂戴之天盃

天盃は内侍が天皇に代わり酌を行い、その盃から、かわらけ(土器)に移して酒を飲みます。かわらけは素焼きの陶器です。

盃と土器(かわらけ)


元治元甲子年正月御上洛 五月二日御暇御参内之節供奉御参内被遊候付忠敏公御頂戴之天盃

土器(かわらけ)のみ

厳密には元治元年(1864)の正月は文久4年の正月で、旧暦の2月20日に元治に改元されます。忠敏は幕末の最後の篠山藩主の青山忠敏です。
忠敏はこの年に起こった禁門の変へ応援に行っています。近年には、篠山藩の住民代表の役職「郡取締役」を務めていた庄屋の石田又左衛門の日記が丹波篠山市に寄贈され、現代語に翻訳されています。当時の状況が篠山藩のお供の目線から禁門の変を知ることができます。


いいなと思ったら応援しよう!