帝王切開だったけど、ソフロロジーを学んでいて良かったこと
産後5日目の記録です。
前提共有
東京で仕事をしていましたが、出産にあたり地元で出産をすることにして、近くの産婦人科を選択したら、たまたまそこがソフロロジー出産を推奨している産院だった、という1月からのにわかソフロロジー出産体験者です。
元旦に里帰りして、出産までの2か月間をソフロロジーの産院でお世話になり、2か月書籍やCDや講座で学んできました。しかし、経膣分娩のつもりでいたのに、陣痛が来ず…3日間の促進剤をつかった苦闘の末に帝王切開になりました。
その出産レポートはこちら↓
ソフロロジーとは
ソフロロジー分娩法とは、陣痛を“赤ちゃんを生み出すための大切なエネルギー”と考え、赤ちゃんと一緒に乗り切ろうという積極的な考え方が基本にあります。
(私の産院のHPより)
https://www.tanabeclinic.com/happy/
3日の陣痛がこない間と、出産後5日目になるまで、私もいろいろ考えました。
一番考えたのが
結局帝王切開だったので、経膣分娩の陣痛の痛みを軽減するというソフロロジーの学びは無駄だったのか?
ということ。
結論、まったくそうではありませんでした。
ソフロロジーを学んで、実践してきてよかった。と心から思います。
まず、産後の赤ちゃんのお世話をする時の気持ちがぜんぜん違うんです。
産後、2日目から母子同室をはじめました。帝王切開の痛みもあるなか、24時間ずっと赤ちゃんファースト。彼女が泣いたら空腹・オムツ・寂しさのケアまでずっと休みなしです。
この、ひとり3交代制の労働は想像もつきませんでした。笑
いまは、1時間でも娘が寝てくれて、自分もゆっくり眠れたらすごくラッキー!と感じる状態です。心身ともに。
正直、こんなに大変とは思いませんでした。
でも、それを「くそう!」「仕事ができない!」とイライラしたり、お世話をほかの人にお願いしたい、という気持ちには不思議となりません。
なぜかというと、ここにソフロロジーの考え方があります。
院長先生から、「陣痛で苦しいのはお母さんだけではなく、赤ちゃんがお母さんの6倍苦しいんだよ。子宮だけが痛いお母さんと違って、赤ちゃんは全身を締め付けられて呼吸を止めながら降りてくるんだからね」と言われ続けてきました。
お産の痛みや辛さを赤ちゃんと一緒に乗り超えたと思えているからです。
この2か月、「赤ちゃんにたくさん話しかけましょう」と言われてきたので、胎動が激しい妊娠後期なのも手伝って、赤ちゃんと会話している気持ちになっていました。
入院中も、お腹が張ったり、軽い陣痛がきたりするあいだも「苦しいけど頑張ろうねぇ」「もうすぐ会えるね」と話しかけ続けてきました。彼女はこの出産プロジェクトの戦友というか、パートナーであります。
夫も3日間、分娩室で一緒にこうした話や会話をしながら過ごしました。
私たち3人は、この一見無駄だと思えた3日間(→結局、帝王切開するなら最初から切っちゃえば1時間で済んだのに!という気持ち。東京で仕事してると効率とか意味とかすごく考えます。)は、チーム家族の形成に大変に貢献しました。
また、赤ちゃんは、へその緒から栄養も与えられて温かく快適な胎内から、自分で栄養を吸い出し、排せつを自分で行い、暑い寒いをコントロールできない外界に、真っ暗な産道を息を止めながら勇気を出して出てきました。
(と、先生に教えられた)
「よく来てくれた!」と思うのです。
しかし、新生児のお世話をしていると、何をしても泣きやまないときがあるのです。(こんな顔をしてこの世の終わりのような泣き声がやみません↓)
打つ手なし…
「どうしてお腹も空いてないし、オムツも交換したのに泣くんですか?」
最初はそんな疑問が湧いて、助産師さんに聞いてみると
「ぎゅっと抱きしめられていた胎内から、急に空間にポーンと放り出されて心細いからだよ。」
と。そう言われると、
「怖くないよ、お母さんはここにいるよ」
とすぐに抱きしめてやりたいと思えるのでした。
感情移入しやすい性格なので、それをリアルに想像すると涙が出てきます。
もしも、当初の期待どおり、ほとんど苦労なくツルっと出産していたとしたら、私は赤ちゃんに対してこんな風に思ってやることが出来ませんでした。
もともと夫も、私が18日に出産して、安全を確認したら、21日には東京に戻るつもりでいたのです。しかし、18日の夕方に到着したときに、私はまる1日分娩室にいたものの、全く陣痛がスタートせず、翌日も、その翌日も分娩室に入り続けていたのです。
20日にまるまで生まれず分娩室でのやり取りを経験して、赤ちゃんと出産に関する考え、この授かった命の尊さと、大切にしたい思いが出来上がったように思います。
そんなわけで、私はソフロロジーを学んで、この産院で出産をして、本当によかったなと思っています。
入院生活もあと4日(いやほんと長いのですが…トータル11日間の入院になりました)、この生活のなかで赤ちゃんの観察やオペレーションに関して、きちんとマスターしてゆきたいと思います。
-あっ、娘が泣き出したので、また続きは後日。
個人的な思いの長文をお読みいただき、ありがとうございました。