ぺぺちゃん探索RTA
※以下の内容は全て、筆者の偏愛と私見によるものです。そして、落書き行為を推奨するものではありません。
皆さんは、"ぺぺちゃん"と呼ばれるグラフィティをご存知だろうか?
ぺぺちゃんとは、京都市街を中心にあちこちで見られる、「例のあれ」である。
↓↓これです↓↓
実のところ、筆者はこのぺぺちゃんに激しく魅了されており、探すためだけに出掛けたり、意味もなく模写したりするまでになっています。いかに作品性が高いのかや、作者の熱意が感じられるかなど、ぺぺちゃんの魅力についてはまたの機会に書き垂らすとして、今回はこの、あちこちに点在する(ように見える)ぺぺちゃんの、筆者なりの探し方をまとめようと思います。
なお、ぺぺちゃんは「歩行者向けのもの」「運転者向けのもの」「電車の乗客向けのもの」の3種類が明確に描き分けられているように勝手に考えているのですが、今回は「歩行者向けのもの」に限った探し方について書くこととします。
探す時間帯
探す時間帯は、深夜1時半以降がおすすめです。理由は3つあり、どれも探す範囲を絞るために役立ちます。
まず「明るさ」です。昼間にぺぺちゃんを見つけたときには分かりにくいのですが、真夜中にぺぺちゃんをいくつか見て周ると、ぺぺちゃんのいる場所の明るさには共通性があることが分かります。それは、嫌に明るすぎず、極端に暗すぎもしない明るさ、ということです。それは言い換えれば、「作者が安心して、かつ無理なく描くことができる明るさ」とでも言えるでしょうか。
例えば、真夜中でもMAX明るい四条通りの烏丸〜河原町間や、河原町通りの御池〜四条間、深夜でも営業している飲食店や常夜灯の明るい店舗の前など、安心して作品制作をすることができないほど明るい場所には、ぺぺちゃんは見られない傾向にあります。また、自販機の表や側面よりは、ギリ明かりの届く裏面、明るく照らされた看板の表面よりは、反射光に弱く照らされた裏面、明るいバス停や常夜灯の間近よりは、少し離れたところにある物体などなど、本当にちょうどいい薄明るさのところに、ぺぺちゃんは描かれるのです。これは実際に夜中にぺぺちゃんを探索すると掴める感覚かと思います。
2つ目の理由は、「警察」です。夜中の市街地を徘徊すると、警察が絶えずパトロールをしてくれていることが分かります。ぺぺちゃんも物好きにとっては堪らない作品ですが、落書きは一般的には法に触れます。よく警察車両が巡回しているところには、ぺぺちゃんは少ない傾向にあります。
例えば、今出川通りの河原町〜堀川間などは、そういう理由で少ないのかな、なんて考えたりしています。参考までに、同志社大学前にある、レアなぺぺちゃんを貼っておきます。
ぺぺちゃんの形式には色々あるのですが、これは最高レベルで簡略化された作例です。急いでササッと描いたのではないか、などと想像してしまいます。それだけ、ここは夜になるとやたらとパトカーが通るのです。
3つ目は、「人通り」です。やはりグラフィティ制作というのは、人通りのあるところではやりにくいものなのでしょう(筆者は勝手に、作者は夜中に活動しているものと思っています)。夜中になると大抵の場所では人通りがなくなるのですが、その程度も場所によります。たまにタクシーやバイクが通るかな、くらいかそれ以下の場所にぺぺちゃんは多く、また、人通りが少ない所であればあるほど、作品は装飾性を増したり、あるいは巨大化する傾向にあります。参考までに、河原町丸太町にある、装飾性の強いぺぺちゃんを載せておきます。
これを見つけたときはえらく興奮したのを覚えていますね。
以上のような理由から、ぺぺちゃんを探すには午前1時半以降の真夜中に出掛けることをおすすめします。そうすれば、闇雲に探すのを避けられ、ある程度的を絞った効率的な探索を行うことができます。
探す場所
時間帯の暴力で、探さなくていい場所を切り捨てたら、今度は積極的に探す場所を特定していきます。ぺぺちゃんは無法則に散在しているように見えて、実は居場所に偏りがあったりします。
筆者の体感としては、そこそこ大きな交差点の近くに多いような気がします。つまり、交差点を基点として、東西あるいは南北に少し進んだところまでを探すと、います。しかも1つの交差点につき何点か描かれていることが多いため、芋づる式に複数見つけることが可能です。例えば、百万遍の交差点から北を探すと……
自販機の裏にいます。このオレンジのテープはつい最近貼られたのですが、その後何者かによって目の部分だけが剥がされたようです。
そして百万遍の南側を探すと……
京大体育館の前にいます。百万遍の東西については未だ発見できていないのですが、交差点の近くにぺぺちゃんは集まっている傾向があります。
つまり、交差点をひとつ決めて、その東西南北を探せばいいわけですが、交差点からどれくらいの距離までを探せばいいのか。これも筆者の体感ですが、これまで私が見つけたぺぺちゃんの中で最も交差点から離れていた作例は、四条大宮西の、この作例です。
ですので、まずは四条大宮へ行き、交差点からこのぺぺちゃんまでの間を何往復かして、距離感を体で覚えるのがよいでしょう。このくらいの距離を探していなければ、まぁいないでしょう。ちなみにアイキャッチの画像も、四条大宮です。
ぺぺちゃんが描かれるもの
ぺぺちゃんが描かれるものには、自販機、看板の裏、歩道にある各種の箱、電柱にある箱、歩道橋、橋の下の壁、工事現場の囲い、バス停の柱、郵便受け、などなど、多種多様なものがあるため、これといって特定することは難しいのですが、箱系のものや、看板の裏に多いイメージがあります。ただ、神出鬼没なのがぺぺちゃんなので、描かれる媒体については、あまり山をはらない方がよかったりします。
筆者の思う、今アツいゾーン
最後に、筆者が勝手にアツいと思っているゾーンをこそっと書きます。すなわち、今後新作が現れる可能性が高いのではないか、と踏んでいるゾーンです。
それは、堀川通りの五条〜今出川間です。堀川通りは、二条城を中心に落書きの規制がとりわけ厳しいのか、落書きがほとんど見られず、何らかの権威によって塗りつぶされた痕ばかりを見ることができます。しかし、堀川通りは、上で述べたようなぺぺちゃん高確率出現ゾーンの条件をほぼ全て満たしており、また作者がぺぺちゃんを描きそうな媒体が豊富に揃っているのです。同じような通りには、御池通りや五条通りの一部もあります。このような区域には、残念ながらぺぺちゃんも見受けられません。
しかし、作者は諦めてしまったのか…と思いきや、実は諦めていないのではないか、と筆者は勝手に想像しています。最後に私が特に好きな作品群である、堀川五条周辺の作品群を載せます。
1枚目の大量のぺぺちゃんは、実は日に日に増加していったものです。
たしかに作者は、堀川通りに何度も訪れており、作品を残しているのです。
この空白地帯に作品が現れることがあれば、そらはそれでこの上なく嬉しいのですが、堀川五条に異様なまでに作品が集中していることなどを考えても、やはりなかなか難しいのかもしれません。
以上、筆者なりにぺぺちゃんの探し方を思いつくままに書いてみました。筆者はぺぺちゃんは京都の楽しみ方のひとつであるとまで思っているので、よかったら探してみてください。