あの壁にあの鐘楼 でも、巨大だったのはクレーター盆地と塔の猫?
ドイツの観光名所といえば、ロマンティック街道。中世の街並みを残す街としてローテンブルク、ディンケルスビュール等が有名で、レンタカーやバスを使って旅をするのが王道です。
とは言え、鉄道でピンポイント的に訪問することも可。今回は真ん丸な壁に囲まれた街、ネルトリンゲン(Nördlingen)を進撃です。
ということで進撃の巨人のモデルとなった街として話題になったネルトリンゲンは、1500万年前に落ちた隕石によってできたクレーター(リースクレーター:直径約24㎞)の内部にあり、街の直径は約1㎞。
(赤い部分がネルトリンゲン)
地質が月面に似ていることからアポロ14号と17号のクルーが月面調査の訓練の為に滞在、リースクレーター博物館にはNASAから贈られた月の石の展示もあります。
リースクレーターには国立のジオパーク(Geopark Ries)があり、沢山のハイキングコースも用意されています。その中にスウェーデンの道(Schwedenweg)というのがあったので、何かと思って調べてみたら三十年戦争(17世紀前半にドイツを主戦場として起きた宗教戦争)でのスウェーデン軍の行軍と闘いに因んだコースとありました。
ネルトリンゲンの闘い:1634年9月6日、スウェーデン軍およびドイツ・プロテスタント諸侯のハイルブロン同盟と、神聖ローマ皇帝軍およびスペイン軍がネルトリンゲン郊外で交戦、皇帝軍(カトリック)が勝利。
それにしてもスウェーデン軍はこんなところまで遠征してきのたか…などと妙に感慨深くなってしまいました。
それでは、鐘楼と壁について…
街の中心にある聖ゲオルグ教会の塔にはヴェンデルシュタインという名のネコが住んでいて、ネズミやハトから塔を守っています。
運が良いと巡回中にお会いできるそうですが、私はポストカードでしかお姿を拝見できませんでした。
塔を見下ろす巨大なネコ…デザインがなんとも秀逸です。
街を取り囲む壁には、外側に突出している堡塁が一ヶ所あり、野外劇場として使われています。
これまでもしっかりと壁が残された中世の都市を見てきましたが、そのほとんどが城塞都市。教会、居住区域や畑などが城を中心に配置され、どちらかというと細長い形をしていましたが、この丸い街の中心は教会と交易の広場(市場)。
ロマンティック街道は今でこそ屈指の観光ルートですが、中世においてはオーストリアを経由しイタリアのローマに至る重要な交易ルート。街道の諸都市は自由都市として交易で栄え、壁や門を築きましたが、三十年戦争で荒廃し、衰退していきます。
この街で紹介された宿泊先は、ガストロノミーの上ではなく、カフェ併設のケーキ屋さんの上でした。ちょっと珍しいです。
滞在最終日、ドイツ人のおじさんと朝食をご一緒することになったのですが、話を聞いていると「今日で休暇も終わり、これから家に帰るから、今年はここまでかな」と… その時はふーん、そうなんだ…と聞いていたのですが、何だか後からじわじわと… ひょっとして? 歩き?? はああああ???
改めて観光案内所でもらったロマンティック街道のパンフを見直すと、自動車やバスのルートの他に
・ ロマンティック街道のサイクリングロード
・ ロマンティック街道長距離ハイキングルート
のご紹介…
すっかりガイドブックや先入観にとらわれておりましたが、確かに歩いて日本一周(?)する人だっているわけだし、平たいドイツを歩いていけない筈がない。
それにしてもだ、やはりドイツ人はあなどれない…
(滞在: 2016年4月)
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