潮風のふく町
この週末、漁師町の民宿へ泊まりに行った。晩御飯にてんこ盛りの美味しい魚料理を食べて、夫は次の日、早朝から釣船で深海魚釣りへ。
路地からちょっと腐った臭いが漂ってきそうな、昭和感たっぷりの畳の宿。部屋の入り口はもちろんふすま。子供達は2階の部屋と1階を自由に行ったり来たりして遊んでいる。実家に帰ってきたような気軽さ。
すべての世話をしてくれるおばあちゃんは、いつもにこにこ、お腹ふくれましたか?子どもさんはこれ食べられるかな?と優しくゆっくり話しかけてくれて、守ってあげたいような可愛いオーラを全身にまとっている。腰は曲がっているが、早朝から夜遅くまで、お客さんの食事の世話やら洗濯やら、本当によく働いている。
この日は、このおばあちゃんのお孫さん(ひ孫?)、目がくりっとした男の子が来ていて、うちの子達と一緒にゲーム(スイッチ)で遊んでいた。かまってほしそうに、ちょっとさみしそうに、だまってこっちに近づいてくるのが、可愛かった。
お風呂は、本物の温泉。ぬるぬるしてて、ちょっと熱めで気持ちいい。子供達は、バシャンバシャンと湯船で遊んだり、洗い場でわざとお尻を滑らせたり、大はしゃぎ! 夜に2回、朝に1回、計3回も入った。
翌日、仕事で改修工事をする住宅の調査へいく。そこもたまたま漁師町だった。
施主のおばあちゃんから、その欄間は、ぜったい壊すなよ!ときつく言われる。
警察署のお偉いさんだったというおじいちゃんが建てた家。家の立派な構えや土壁の良さはそのままに耐震補強するという、かなり難問題。どうやって解くか?
その後、地元の人に付近を案内してもらう。海の中の神社や、漁業権を勝ち取った石碑、あおさや真珠の養殖場。すれ違う軽トラの人を、あの人は海苔の養殖を真面目にやって地元で一番大きな会社にした人だ、とか、あそこの店は今三代目が頑張っていて、という話をしてくれた。
島の良さを思い出した2日間だった。
(自分の地元の漁師町は、もとをたどればみんな親戚ばかりで、誰かにみられてそうで、ゆっくり歩くこともできないが。)