コーヒーが飲みたい
以下はマニラ時代のエッセイの加筆です)
(仕方なく)遊園地に行きました(郊外)。
「壊れるんじゃないかと具体的に心配で」顔が引きつる絶叫マシンや「大きなネズミが横切るので」恐ろしいお化け屋敷「大きなネズミにうっかり触ってしまう」動物ふれあいコーナーなど想像以上に充実のラインナップです。
しかし入り口では厳しい荷物検査が行われる。厳し過ぎると言っていい。この遊園地はディズニーランドの真似をしているのか食べ物持ち込み禁止なのです。園内で買ってほしいからでしょう。ただし、お金の問題ではなく、園内で売られているものに、私たちが食べられるものはありません(笑)。何もかもがビジュアルからヤバ過ぎて絶対に無理です。子連れなら尚のこと、おにぎりなどを持ち込むしかありません。
マニラではあらゆる商業施設、ホテル、スターバックスでさえ、入り口で荷物検査があります。しかし、カバンを二つ以上持っているのに一つしか見ない。いや、その一つさえろくに見ていない。割り箸を突っ込んで
「へェー日本人コウイウモノ持ッテルノカ〜いいな〜」みたいな視点で行われています。警察犬もいるのですが、だいたい寝ています。
などの理由から、マニラでは、これまで何度も爆発事件がありましたね。死者も出ました。
そんな、
爆弾が簡単に持ち込めるこの国で
おにぎりが持ち込めないって何ですか?
この郊外遊園地の厳しい荷物チェック係を、ぜひ都会のホテルに回すべきです。この人なら爆弾も摘発するはずです。
彼は、飴玉一つ見逃さないといった様子で、英語もすべて命令文(客に)。刑務所に収監される囚人の、余計な荷物を取り上げるようにおにぎりを摘発します。
こういうことには長けた私ですが、複数のカバンの底にばらばらに忍ばせたおにぎりをほとんど指摘され、すごいよ!あんたすごいよ!と言いたくなりました。
「ねえ私異常なアレルギーでおにぎりしか食べられないの。真っ赤なソーセージとか無理だし、黄色い揚げ芋も無理。緑のカキ氷無理。あと血糖値の問題で米を一定時間おいて何度も食べないといけないの。だからこれはいわば食べ物じゃないの。薬なの。メディケーションわかる?」
「わかりません」
彼は軍隊のように答えました(本当にわからないのでしょう)。
「・・じゃあ、100ペソ払えばいいかし
「OK」
速い!!(承諾が)軍隊のように速い!!
(注 100ペソは約200円)
(ローカルではだいたいこれくらいで話がつきます)
帰り道、コーヒーが飲みたくてスターバックスを探しました。マニラ都心部には百メートルおきにあるスターバックスですが、そんなのあるわけないよなと、あきらめかけたその時、道を尋ねたうちの運転手に地元民が
メロン!メロン!
の大合唱。わかりますか?メロンていうのはタガログ語で「あるよ」という意味です。バカにすんなスターバックスくらいある、みたいな強い意志でメロンメロン叫んでくる。ちなみに「ないよ」は「ワラ」です。
しかし、詳しく道を聞いてみると50キロ先でした。
ワラ (笑)