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2019年日本一時帰国 最終章

関空からメルボルンへ戻る日。
搭乗待合エリアのガラス窓からカンタス航空の機体に描かれたカンガルーマークを目にした途端、何だかちょっとホッとしている自分が不思議。

搭乗開始を待つ間に、オーストラリア人の気さくで陽気な熟年層カップルとおしゃべりをする機会があった。

「日本に何度も繰り返しホリデーで来ている子供たちや友人が日本行きを強く勧めてくれてね。今回初めて日本へ来たのよ。」

10日間で京都、広島、大阪の3都市を訪ねたとのこと。
初めて日本を訪れる海外からの観光客のルートとしては、人気のコースやね。

「楽しまれましたか?」とまるで台本にあるセリフのようなお定まりの質問をする私。

意外にもこのご夫婦の顔が急にちょいと暗くなった。
残念ながら日本をあまり楽しむことができなかったとの答え。

え? この答えは台本にはない!
これまで「日本に行ったことがある」人は、まず間違いなく私にこう言った。
「日本大好き。なんでも美味しい。皆とても礼儀正しくて親切。日本大好き。」などなど。

滞在中に色々とあったんだろうけど、とにかくこのご夫婦が期待していたジャパンとは違ったらしい。
短い滞在期間に何があったんやろう?

もう少し話を聞きたかったけど時間切れ。
搭乗開始のアナウンスが・・・

「ごめんなさいね、あなた日本人でしょう? なのにこんなこと言うて。でも、もう日本には来ないわ。じゃあ機内でまた会いましょう。」と最後に奥さん。

う〜ん。

席が離れていたのか、搭乗後はもうこのご夫婦に機内で会うことはなかったし到着後に空港で顔を合わせることもなかった。

今でもなんだかちょっと気になる。
「もう、日本には来ないわ」この言葉が私の心に突き刺さったまま。

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