想いでの山田太一作品
訃報が続きますね。
山田太一さんといえば「ふぞろいの林檎たち」などが有名ですが、こみこにとっては知っているけどあまりタイムリーではなく。
ちゃんと観たのはこの作品からだったかも。
ドラマ「丘の上の向日葵」
この動画には出ていませんが、葉月里緒奈さんのデビュー作でした。
とっても可愛かった。
主人公を演じる小林薫さんの娘役でしたね。
しかし、このダイジェストを見ると優しくて真面目な男性ってのはつくづく罪だなと思いますね。
あと、山田太一さんならではの短くて小気味の良い台詞が生きています。
見ながら頭がすっきり整えられる感じ。
台詞というキューブが組み立てられていくような感覚。
このドラマが放映された時、確か私は高校2年生で、進学のために上京した姉のところへ遊びに行ったことが深く心に残っています。
飛行機に乗ったのもこの時が初めて。
大阪や神戸、京都などには家族旅行で時々行っていたのですが、
東京の人の多さはそれどころではなかったことに驚きました。
原宿と池袋とその外れに行ったかなあ。
電車のなかで母が私に「次で降りるけんな」と言ったところ、
結婚式の引き出物を持った大阪弁の男性に訛りをバカにされたのも思い出。
ツレの人がその人に「やめろや」と言っていました。
今なら言い返すんですけど、あの時はそんな失礼な人が世の中にいるなんて知りませんでしたからね。驚くやら恥ずかしいやらで。
「何であいつ東京で結婚すんねん。はよ、大阪帰ろ」と言っていましたのでたぶん結婚式で東京人にさんざん大阪をバカにされたのでしょう。
我々に当たるなよ。
初めて東京へ行ったことでドラマの中の世界も少し立体的に見え始めたのもこの頃です。
それはさておき次。
映画「飛ぶ夢をしばらく見ない」
最近では奥様が子供に戻るお話も多いですが、
こちらは入院先で出会った女性がどんどん若返っていくお話。
出だしがすごい。
動画は悲鳴で始まりますが、彼女は自分が老女であることを衝立の向こう側にいる男性に知られたくなかったのです。
前夜に衝立越しにとんでもない色っぽいことをしていたから。
こういう度肝を抜かせる展開が文学っぽくていいですね。
老女から少女まで演じる石田えりさんが素敵です。
また、翻弄され滅び朽ち行く細川俊之さんのダンディさが光ります。
老人になる少し前の最後の漲りみたいなものを描くのがとても上手ですよね。
最後にこちらは本です。
背が高い女の子と低い男の子の恋愛を描いた一冊。
ストーリーは忘れてしまいましたが、すぐ読めてしまった思い出。
ドラマではモデルの未希さんと森田剛さんが演じていました。
体は大きいけど儚い少女そのものであった未希さん。
体は小さいけど男らしくまさに質実剛健な森田剛さん。
この組み合わせが何ともベストでいいキャスティングだなと思っていました。
短い文章の美しさで散りばめられた山田太一作品。
最後はいつか観ようと思って観ていない作品を。
映画「異人たちとの夏」
ある男が昔家族で住んでいた町を訪れたところ、若いころの両親と出会ってしまう話です。
こういうのって若い時に見た方がいいよね。
ということで、合掌。
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