恋活リハビリ③〜恋は盲目すぎる自分の話〜
マッチングアプリで田中と知り合って、トントン話が進むので、すっかり乙女モードになってしまった。
女は色々な感が働くというnoteを書いたばかりだけども。
この頃は感もなにも、鈍るどころのお話じゃなく、頭の中はお花畑。
今の私なら間違いないなく気づく点がたくさんあった。
私の休みの当日、田中は9時すぎにやってきた。
来客なんて久々なので朝から念入りに掃除したものの、我が家は息子と娘の三人暮らし。
どうあがいても生活感がいなめない。
子供の勉強机もあるし、二段ベッドがどーんとあるし、壁には子供画伯の絵もある。
それより何より我が家は築40年の、なかなか味わい深いアパートに住んでいたので「びっくりするかなぁ」と少しだけ不安があった。
そんな心配は無用だった。
「中は結構広いんだね!」
「日当たり良いね」
「すごいレイアウト上手だね」
とにかく褒める田中。
いいことしか言わない田中。
それは、なんの偽りもなく本心から言ってるように見えた。
すっかり気を良くしたが、久々の来客すぎて、田中をソファに座らせたものの、私は床に正座したまま、こういうときは、なに、音楽かけたらいいのかな、茶か?茶を出せばいいのか?
ヘイ、Siri!
ねぇ、アレクサ!
誰か誰か!!!
お互いの家族の話をした。
田中はシングルマザー家庭で育ったらしい。
お母さんはなかなかの破天荒というか天真爛漫というか。
私はシングルファザーの家庭で育った。
父もなかなかイカれた人で、三度の結婚をしている。モテるんだろうか。娘から見たら、全くわからないが、とにかく父は昔からアクティブで多趣味な人。
公務員のくせに、副業?バンバンしてる。
米軍基地に遊びに行って交流を深め、うちにはいろんなアメリカ人家族が遊びに来た。
小さい頃から、言葉もわからない外国の子と簡単なコミュニケーションで遊んでいたおかげか、わたし英語は全く話せないが「OK!」「イエス!」「ノー!ノー!」「GOOD!」で、今でも大体の会話を乗り切る。
海外旅行にいっても、日本語しか話さない。
寺島しのぶがフランス人と結婚したとき「私達は心グリッシュで会話する」と言っていたが、なんとなくわかる気がする。
すっかりシンパシーを感じた私達だった。
聞いてきた音楽も流行った時代も共有できる。このポイントはかなり高得点だった。
別れた元旦那さんは、わたしより一回り上だったから、青春時代の「わかる!」ポイントは一つもなく、それでさみしさを感じたことはなくても田中とのソレは楽しくて新鮮そのもの。
私の中の西野カナは、ますますdivaになりつつある。
Ayu世代だけど、西野カナは歌わないけど。
西野カナ休業中だけど、私が変わりに歌うよと言わんばかりに図々しくも恋に落ちてく。
毎日連絡を取り合って、毎週のように会う関係。
このあと田中の正体を知って発狂することも知らずに。
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