昔の彼を思い出す悪いクセ。
悪いクセなのは分かってる。
ちょっとでも嫌なことがあると
昔の彼を思い出し、
美化された記憶をエサに、
自尊心を満たそうとする。
どんな過激な発言をしても、
我が侭が行き過ぎても、
大きく包み込んで許されていたこと。
どれだけ愛されていたかを
自分自身も分かっているから、
それに満足して今夜を過ごす。
私はあの人に沢山愛してもらった。
あの人は私を特別扱いしてくれた。
とにかく器が大きかった。
あの人は、私の人生を豊かにしてくれた。
喧嘩して気が狂いそうだったことは、
もはや思い出しても仕方がないし、
そんな記憶は綺麗に塗り替えられてる。
過去の出来事は全て今に繋がってる。
今の私がいるのは彼がいたから。
そう思えるのも一人だけでなく、
場面によって違う元カレになる。
分かってる。
今の目の前のモヤモヤから逃げるため、
過去の思い出に頼ってるだけ。
精神的に傷つくのを最小限にするため、
自分自身を防衛しているだけ。
そして自信を失いかけている自分の
自己肯定感の回復剤となってるだけ。
一時的な現実逃避。
悪いクセなのは分かってる。
でも、ちょっとでもモヤモヤな時は、
自尊心を満たすだけでも、
美化された思い出にすがっていく。