ラフォルジュルネって何
去年このイベントが日本でやっていることを知りました。以下感想
公演番号342 ジャン=バティスト・ドゥルセ
演目
・グリーグ 抒情小品集 第10集 Op.71
・ヤナーチェク ピアノソナタ変ホ短調「1905年10月1日の街角で」
・シベリウス 樹の組曲 Op.75
とにかく楽譜に忠実で素晴らしい演奏。本当に。本当に。特にシベリウスは音価まで恐ろしいくらい正確。たいていの楽曲は記譜を忠実に守れば良い演奏になると信じているので、今回の楽譜ドゥルセの演奏は作品が大切にされ作品が生かされた素晴らしいものだった。でも楽譜通りに弾くというの案外難しいし、意外とできない。もちろんハナから楽譜から逸脱しようとする音楽家は論外。僕も含めたいていの人間は楽譜通りに演奏できるよう努めてもできないことが多いと思う。そのくらい難しいし、彼はそれができるから素晴らしいのだと思う。
また弱音が恐ろしいくらいに小さな音。東京国際フォーラムのG409という部屋はラフォルジュルネの為の仮設空間でありほぼ会議室。そこにピアノと100あまりの座席を並べただけである。それも理解していたのだろう。どんなに小さい音でも有効に使える自信に満ち溢れた演奏であった。実際に、最後列で聞いていた私にも十分な音色が伺えた。彼のような精神で演奏をしなければと改めて思わされた公演。
公演番号323 エル=バシャ × エルミール弦楽四重奏団
演目
・ウェールベン 弦楽四重奏のための緩徐楽章
・シューマン ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
シューマン目当て。ウェールベンはそんなに集中して聞けなかった。エルバシャは当たり前のように暗譜していた。アンサンブルを暗譜でできるというのはどれだけの余裕なのだろうか。すごい。
若い弦楽カルテットに対して優しく後押しをしているような弾きっぷりで素晴らしいアンサンブル。ものすごく目を合わせていた。もうほぼ鍵盤なんて見ていなかった。
公演番号 325 ナタナエル・グーアン × 広瀬悦子
演目
・ボロディン ダッタン人の踊り
・ストラヴィンスキー 春の祭典
2台ピアノ公演。春祭目当て。序奏がかなり素敵だったので後半も期待していたが2人があまり噛み合わない感じ。それは春祭の時も同様だった。弱奏部での各々のフレーズは本当に自然で綺麗だったが、強奏部分ではなんだか私が感じているストラヴィンスキーとは違い、優しくフレーズも伸縮していてなんだか気持ち悪かった。ルバートする必要もないところも必要以上に揺れていたり、一定のテンポ感で進んでいかないところが多いので、よりリズムが特徴的となる第2部ではもうアンサンブルもままならなかった。せっかく聴きにきたわけなのでもっと良いモノを聞きたかったが、いずれにせよプロの演奏は敵わないものがあるし、やっぱり春祭改めて良いなと思わされた部分もいくつかあったのでよしとしましょう。ホールがデカ。
公演番号 315 井上道義 山根一仁 新日本フィル
演目
伊福部昭 ヴァイオリンと管弦楽のための協奏狂詩曲
シンフォニア・タプカーラ
ホールがでかい。デカすぎる。果たして音は聞こえるのだろうかと思ったら案外聞こえる。でも打楽器が必要以上に飛んできた。難しいホールなんだね。どちらも良い曲だった。タプカーラは第2楽章がよかったー!最初はハープが弾き出したテンポ遅すぎてびっくりしたが1フレーズ後には馴染んで不思議な空気が作られていた。あの感じたまらないと思った。風景を見ているというよりは静止画から回想をしているような気分だった。昔の写真を見て何かを思い出してみたいな。そこに実像はないが、頭の中にぼんやりとある記憶を映し出してみるような雰囲気。あーーいいねーーーーーーーー。
ティンパニはもうほとんどの音をドッペルしていた。ドッペルしてロールしながら音変えして再びドッペルしてロールしてドッペルしてロールして、みたいな感じで実に忙しそうであった。お疲れ様でした。
あと講演も聞きました。永遠とお喋り聞いていたい。