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【不妊治療】子どもを授かるということ。

「不妊治療をしているんです」

そう言うとおのずと「この人は子どもを授かることを望んでいるんだな」と見られる。不妊治療=子どもを授かるための治療なんだからそれは当たり前のことかもしれない。

でも、子どもを授かりたいという気持ちの大きさ・強さは人それぞれだと思う。そしてわたしの場合、その大きさはかなり小さい方だ。

どれほど小さいのかというと、子どもが欲しいか?という問いの答えが「欲しい」「いらない」の2択だとしたら、正直わたしは「いらない」になる。そしてそこに「どちらでもいい」という選択肢が加わるのなら「どちらでもいい」に変わってくる。

正直このことを言うと親や親世代の知人からは「なに言ってんの!」とたしなめられたり、「子どもは産んでおいた方がいい」とアドバイス?を言われるのがほとんど。それで腹が立つことはないけれど、だってそれが本心なんだから仕方ないじゃんとは思う。

子どもが欲しくないと思う理由も、子どもが苦手とか経済的に考えたとき優先順位が低いとかそれこそ人によって違うけど、わたしの場合は夫婦ふたりで暮らしていく未来という選択肢が、夫婦&子どもで暮らしていく未来という選択肢と同じくらいの大きさで存在しているから。

今の生活以上というか環境の変化を特に望んでいないし、そういう意味で言うと自分ひとりの時間が減ってしまうこともイヤだなぁって思ったりもする。

あとは、そもそも結婚願望すらなかった人間なのでその先の子どもを授かりたいか授かりたくないかなんて今まで考えたことすらなかったし、自分が親になった姿なんて想像できないというのもあったりする。子育ての自信もない。

じゃあなんで不妊治療をしているのかと聞かれたら、夫が子どもを授かることを望んでいるから。これに尽きる。

誤解のないように言っておくと、夫に不妊治療を強要されたことは一度もない。なんなら、子どもを授かることを望んでいないわたしの気持ちに寄り添って、結婚して数年は子どもをつくらないことに同意してくれた。

だから今度はわたしが旦那の気持ちに寄り添う番だと思って、結婚して数年後に妊活をはじめ、のちに不妊治療をスタートする決断をした。治療をはじめてからは、旦那はわたしの体調面も精神面もすごく気遣ってくれている。

もちろん人間なので、不妊治療について喧嘩っぽくなったりもしたこともあるけれど、病院に行く日は予約時間とかも把握してくれていて家を出る時間にはLINEをくれるし、薬の影響で精神面がズタボロになって数日間丸々ご飯を作れなかったときもイヤな顔ひとつせずにご飯を用意してくれた。男性側ができる面での不妊治療(のサポート)をすべてやってくれていると思う。

…でもだからこそ、旦那は子どもを授かることを望んでいるんだと強く強く感じてしまったりもする。

言葉では「のんびりいこうよ」「不妊治療お休みしてもいいよ」って言ってくれるけど、旦那が子どもを望んでいる気持ちの大きさ・強さは分かっているつもりだからやっぱり焦ってしまう。

だから生理がきたときに、今月もダメだったと旦那に報告することが治療を続ければ続けるほどどんどんしんどくなっていく。

でもそんなしんどい気持ちを整理する暇もなく、いつ言おう?ガッカリするよな…とかモヤモヤ悩みながら頭では事務的に次の通院日について計算してスマホで予約状況について調べている。

こういうときいつも「あー…今わたし頭と心と身体がぜんぶチグハグだなぁ」って思う。そしてそのたびに、この終わりの見えない不妊治療をまだ続けなければいけないのかと落ち込んでしまう。

でもかといって、今仮に旦那が「不妊治療をやめよう」と言ったとしてもわたしはすぐには返事できないと思う。

子どもを授かれなかったとしても別にいいと思っているのは本心だけど、その可能性を完全に捨てるという決断をする勇気は今のわたしにはまだない。

理由は自分でもよく分からないけれど。

正直いうと、この自分の考えをnoteに書くかどうか悩みました。実はスタエフにアップするために声で録音したこともあるんですが、結局消してしまいました。

それはなぜかというと、理由はどうあれ不妊治療をしているのに別に子どもを授からなくてもいいと考えているスタンスが誰かの反感を買ったり、不快感を与える可能性があるかもしれないと思ったからです。

(これはわたしがSNS等で不妊治療用のアカウントを作らない理由にも通じています)

けれど今一度、自分の気持ちと不妊治療への向き合い方について思考を整理したいと思い、 noteにまとめることにしました。

明日から本格的に治療がひとつステップアップするので、がんばりたいと思います。

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